セーラームーン実写版の意味を妄想する

ここ数日にかけてあーでもないこーでもないと書いていたんですが
もうあんまりまとまんないのでここに貼り付けてしまいます
あーあなたそういうアレなのね、とかそういうのは思っても言わないこと!

今回、いわゆる「リセット落ち」になってしまったのは、やはり好きじゃなかったかな…
これまでみんなでやってきたことが、何らかの形で実を結んでほしかったなぁという気はします
というか、世界全部が滅んでしまう、というのはちょっとどうかなぁ、という感じ
やっぱりそれで人の命が奪われてしまうわけだから、そこは抵抗を覚えるんですよ
だから、愛野美奈子が復活していたのも、仕方ないけれど、ちょっとだけがっかり
人の生と死をしっかりと描く作品であってほしかった、とは思います
愛野美奈子死去の回は、あれだけじっくり描かれて、こちらも感情移入できたんだから
安易に復活してほしくなかったな、とも思いました


でも、セーラームーンを一つの「おはなし」として、寓話として捉えれば
死のうが生き返ろうがなんだろうが、それは何かを表現するための方便に過ぎないのも確か
じゃあこのセーラームーンっていう物語は、なにを表現していたのか?


いろいろなところでいろいろ言われてますが、自分なりの解釈の仕方も書いてみます

以下、「」に囲まれてるのは、劇中のセリフからです


巨大な力の固まり、万能感と破壊衝動の権化、プリンセス・セレニティ
彼女にとって、愛する対象の死は、すなわち世界の死を意味する
善も悪もない絶対の存在 赤ん坊の世界に生きているのがプリンセス


赤ん坊の人間関係とは、絶対的な対象(一般的には母親)との関係だけが問題となる、
赤ん坊は絶対的な対象なくしては生きていけない すぐに死んでしまう
だからこそ、絶対的な対象を必要とし、泣き叫ぶ
そこには善や悪という価値判断はない 絶対的な対象との関係性のみが問題となる
これほどまでに弱い存在でありながら、赤ん坊は自分の力の限界を知らない
自分の感情のままに、制御することを知らずに持てる力を全て使ってしまう
プリンセスも自分の力を制御できず、自分の感情のままに力を使い、破壊を行う存在だった
プリンセスがこの力を使った結果、前世の地球と月は滅んでしまった


衛とうさぎは「前世に決着をつける」ために、現世で滅ぼした地球を復活させた
「前世で滅ぼしてしまったものたちのため」に、現世で滅ぼした地球を復活させた
つまり、現世を復活させることが、前世のように力を使ってしまったことへの償いとなる
ここで注意したいのは、現世の復活は、うさぎ一人で行われたのではなくて
衛とうさぎによって行われたこと


プリンセスとエンディミオンの恋が世界を滅ぼしてしまったのではなくて
プリンセスがエンディミオンを失ったことが、世界を滅ぼしてしまった
しかし、うさぎは衛を失わなかった
前世では失われてしまった絶対的対象と、現世では最終的に同一化することが出来た
前世における”絶対的な対象の喪失”は、実はここで埋められている
だからこそ、世界は復活することが出来た
この二人の絆を作ることが、これまでの戦いの目的の一つだったのかもしれない


ここで、赤ん坊の世界である前世の傷が埋められた
ここから、思春期の世界である新しい世界へと移行する


思春期は、それまで絶対的であった存在(多くの場合、親)から離れ、社会の中に出て行こうとする時期
子供同士ではなく、人間同士の友人関係を築こうとし、人間関係を学び始める
セーラームーンの中で、何度も語られてきたのが”友情”の力と難しさだった
また、レイと亜美については、直接的に”親子関係の当面の決着と友人関係への移行”が描かれた
まことについては、絶対的な対象である親を失ったが、それに代わるかもしれない存在としての元基が描かれた
まことが惚れっぽい(=頼れる人を必死に探していた)のは初期に描かれていたし
元基に父親の影を見たのは、もしもし亀よの歌についてのエピソードで語られている
さらに言えばまことは「一人じゃないから」自分の力に目覚められた
まこともまた、絶対的な対象の喪失という傷を現世で乗り越えようとしたのかもしれない


うさぎは、絶対的な対象=地場衛の存在ではなく
周りにいる4人の友達=社会性によって再生した
あなたを忘れない仲間がいる限り、あなたは生きることが出来る」
うさぎと衛の一対一の関係=赤ん坊の時期の関係だけではない
絶対的な関係は持ちながら、それでいて、複数の他者との関係を築くことが出来た


うさぎは、絶対的な存在ではない
うさぎは、プリンセスよりも弱い存在である
でも、それがうさぎの力だった
うさぎは、社会的な存在であり、それがうさぎを救ったのだ
プリンセスは直接的な力に溢れているが、孤独
「やっと、前世が終わる」
孤独な存在だったプリンセスから
社会的存在であるうさぎに本当に移行し
ここに新しい世界が完成した


うさぎが仲間たちと戦ったことは
何よりも仲間という新たな大切な存在を得るという大きな意味があった


今回のセーラームーンは、表面的な意味でも、深層に流れるテーマも「友情」だった
そして何より、人間としての成長ということが大きなテーマだったのだ




…どう?どうって何が?(笑)

忍者TOOLS
点取り占いブログパーツ