I’VEのスマッシュヒットとKep1erのデビューに向けて―二人のリーダー、二人のユジン(12月31日追記)

もう2か月とかブログ書いてなかったんですけど、ド年末なんですが書きたくなったので書きます。脳内大掃除。(公開後、WADADA作曲家について追記しています)

STARSHIPは、I'VEデビューアルバムで大勝負を打った

I'VEデビューアルバムは、スタシ入魂のUK作家路線

まずは、IZ*ONEが誇った不動のセンター、ウォニョンを擁し、最強のオールラウンダー、アンユジンをリーダーに据えるI'VEが2021年12月1日にデビューしました。

あまりにも遅いので多くは語らないですが、中東風サウンドとリズム中心のバックトラックで攻めるという、デビュー曲らしからぬ楽曲。途中でグッとBPMが落ちるところをフックにしているのも特徴的というか、かなり攻めている。

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作曲陣はPeter Rycroft (Lostboy)、Lauren Aquilina、Ryan S. Jhunで編曲はAlawn。

Peter Rycroft (Lostboy)は以下記事によると西ロンドン出身の作曲家。

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とりあえず韓国のグループに曲提供したのは今回が初?本名名義でもLostboy名義でもぱっと見出てこない。

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コ・ライトに名を連ねるLauren Aquilinaもイギリス出身。こちらはブリストル出身。韓国の人だとテミンとCLCに、日本生まれのシンガーRina Sawayamaにも楽曲提供してる。

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編曲のAlawnは10月のガルプラ記事でも上げましたが、SMエンタ仕事が結構多い人で、2021年にはイッジ、そしてガルプラのU+ME=Loveも書いている。

スタシの、というか、一代前のガールズ・グループである宇宙少女の楽曲とは、全く違った作家陣です。完全にイチから楽曲選定をしていった感があります。 

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個人的にはB面曲の「Take It」がかなり好きで、ネコチャン曲と見せかけて、歌詞の内容が自分たちのデビューとファンへのスタンスを高らかに歌ってる感じなんですよね。可愛くて親しみやすくもあるけど、気高くて自分たちがイニシアチブとっているっていう。

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鋭い眼差し

ワイルドな身のこなし

可愛く見えるけど

簡単には近づけないよ

Take it take it take it
(just take it take it)

こちらの曲は、Willie Weeksという作曲家が参加。スタシだとMONSTA XとかCRAVITY、そしてBTS、EXO、オマゴルなどなど…という感じ。で、この人もUKの人みたいですね。IVEの1stはUK路線だったってことなのかもしれない。

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大成功のデビューの陰に、最高のメンバーを揃えたスタシの意地

結果から言うと、このデビューは大成功でした。デビューから一週間で1位獲得、初動枚数15万枚という新記録を打ち立てたわけです。

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日本人メンのレイちゃんがめちゃめちゃ気になる存在だったり、最強マンネの座をウォニョンから受け継ぐイソに将来性しか感じなかったり、リズが黄金世代04LINEだったり、今のところあまり目立ってない最年長カウルが沼の予感がビシバシしたりと、まぁアンニョンズ以外のメンバーもめちゃめちゃアツい。

特にレイちゃんはかなり注目度高い気がするんですが、ソロカバー投票にいきなり登場で、やっぱりこの人は表情がものすごい独特。どこかけだるげなのに強くてカワイイっていう。

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先週上がったダンスカバー集というか、アナザーMVというか、後半はイソをセンターに据えてるし、後半もカウルやリズに視線が行くようになってる。早くも200万再生間近。

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で、これは憶測でしかないんですが、IZ*ONEの活動延長に対して、スタシが強硬に突っぱねて、結局実現しなかった、って話があるじゃないですか。

自分の推測は、スタシがアンニョンズと組ませるためのI’VEのメンバーを集めていく中で、これはもう完全にこのメンバーで勝つ!という確信が得られていったんではないでしょうか。

CJや、ほかの事務所としてはズワンのままの方が計算しやすかった、でも、スタシだけは、アンニョンズと組ませる逸材たちを、何年も待たせるわけにはいかなかった。

デビュー出来なかった逸材が、事務所を離れるなんていうのは、よく聞く話すぎるじゃないですか。そういう事態はスタシとしては絶対に避けたかった。

そこで、ずっと二人三脚でPDシリーズを作っていったCJと反目してまで(もちろん不正問題もあると思います)、自分たちが最高と考えられるグループを組んで、デビューさせた。

それがI’VEだと思うんですよ。M Countdownに出られないとか、MAMAに出られないとか、いろいろ不利が起きることも織り込み済みで、それでもCJと袂を分かった。負けられない勝負に出たわけです。

そして、その勝負のデビュー曲に、これまでとは全く異なる作家陣を集めて、かなりコアでトリッキーな楽曲を選んで、大ヒットさせた。や、ほんと、大勝利だと思いますよ。

以上を踏まえて、比較的上がったばかりの2021KBS歌謡祭練習動画を見るとですね、あー、イソとカウルって似た二人をシンメにおいてるのは狙ってるなーとか、リズの金髪は完全にアクセントとして上手だなーとか、いろいろ感心するわけです。

ここまであえてアンニョンズについて語ってないんですけど、それでもこれだけ語る要素が多い。マジでこのグループ強い。

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一方、Kep1er運営は手堅い作家陣とわかりやすいコンセプトを選んだ

このままだと、ずっとI'VEを褒めて終わっちゃいそうなんですが、もう一組、とても大事なグループがデビューします。GirlsPlanet999のデビュー組「Kep1er」です。

正直ですね、タイトル曲が「WADADA」っていう時点で、大丈夫か?と思ったんですが、ティーザ見て、えーーーベタなガルクラ?って思ったんですが、まぁわかりやすいと言えばわかりやすい。

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続くアルバム全体のハイライトメドレー見たら、や、やっぱりCJというかSWING&WAKE ONE体制、間違いないじゃないか、となりまして。

イントロからアートコア感のあるシンセ音で始まる(であろう)四つ打ちトラック「See The Light」はかなり好みなテイストだし、3曲目の「MVSK」は音の抜き差しやコーラスの使い方が面白い。てか、よく聴くと2STEP感があって、実はこっちもUKっぽい楽曲なんだな…。

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「See The Light」を作曲したパク・ウソンはMAMAMOOのHIPとか作曲してるんですが、最近ではIZ*ONEユリの「glassy」を作曲してる。RBWからWAKE ONEと契約したっていうツイートも見ましたが未確認です。いい曲書くのは間違いない。

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「MVSK」のチョン・ホヒョン(e.one)については書く必要ないってぐらいIZ*ONEにいい曲を書いてきてるんですが、「Merry-Go-Round」「Mise-en-Scene」「Sequence」が彼の手によるものですね。好きな曲しかねえわコレ!

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ちなみにe.oneのもう一人チェ・ヒョンジュンはIZ*ONEの「Violeta」と「FIESTA」を手掛けておりまして、作曲家二人組のe.oneとしての作品は、宇宙少女の大名曲「Secret」や「Miracle」が有名どころ。むしろこっちの方がスタシ文脈が強いw

で、「WADADA」の作曲と編曲にクレジットされてるのがBuilding Owner(PRISMFILTER)。PRISMFILTERは作曲家集団って感じですね。女子だとPRISTINとfromis_9を多く手掛けてる。

www.prismfilter.com

PRISMFILTERチームの一人、Anchorの詳細インタビューもありました。

gearlounge.com

アンカー:プリズムフィルターは「私たちを通して世界に色とりどりの光を放つ」というモットーで、2016年夏に始まりました。初めて始めたとき、私、カテゴリ、ギターセットが作って三角形をベースにロゴをデザインしました。

以後、ヘッドプロデューサー兼理事職でPOPTIME <ポップタイム>が合流しながらロゴを正方形に変えなければならなかったのですが、デザインがきれいだからそのまま置くことにしました。(笑)

プリズムフィルターの初めはプロデューサークルーでしたが、才能あり潜在力を備えた複数の新人作家たちを迎え入れ、2019年に公式的な会社になりました。正式名称は「プリズムフィルターミュージックグループ」です。

基本的にパブリッシングを行い、ミュージックビジネス、A&R、MIXLABなど様々な部署があります。最終的には私たちと一緒にいるアーティストに音楽的に最高のコンディションを提供し、より良い音楽を作りたい会社です。 

で、Building Ownerが手掛けたIZ*ONE楽曲は「いつか私たちの夜も過ぎ去るでしょう」。バラード系の大名曲です。PRISMFILTERチームとしては「SPACESHIP」を手掛けてます。先ほどのインタビューのAnchorがメインでしょうか。

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あと、PRODUCE48の「We Together」もPRISMFILTERチームの作曲ですね。チェヨンがセンターに立って髪をかき上げるところ何度見ても泣けるんですけど!両脇を固めるアンニョンズがいつ見てもデカくて最高なんですけど!や、これも大名曲ですよ…。

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(追記)WADADAに作曲参加してるShannonって元PRISTINのソンヨンなの!?

WADADAにShannonって人が参加してるのスルーしてたんですけど、YOUTUBEのコメント欄で指摘があって、英語のKpopWikiでもそのように書いてありますね。

kpop.fandom.com

Kep1er    "WA DA DA"    First Impact    Composing, Writing

PRISTIN解散後にPLEDISに残ったメンバーなので、事務所のサイトにも名前が残っております。作曲活動については載ってませんけども。

www.pledis.co.kr

2021年になってShannon Bae名義でソロ曲を発表してますね。WADADAのメロディー一部担当してても全く不思議じゃないなこれは。

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あとですね、PRISMFILTERの中心人物で、BUMZUという人がいて、この人がPLEDIS所属なんですよ。だからNU ESTとかSEVENTEENとかの曲いっぱい書いてて結構有名なのか…。男子追ってなくて反応できなかった…。

kpop.fandom.com

インスタのプロフィールに両方書いてあるじゃん!PRISMFILTERとPLEDISってめちゃめちゃ関係が深くて、WADADAってそこでやってる曲ってことか…。CJとPLEDIS、さらにはHYBEはやっぱり関係が深いんだわ…。

https://www.instagram.com/bumzu91/

PLEDIS / PRISMFILTER

や、全員のことをちゃんと調べないとだめだなーと思いましたね。

二つの新人グループ、二人のリーダー、二人のユジン

IZ*ONEに愛されたからこそIZ*ONEを超えようとするアン・ユジン

これまでにスタシ仕事をしていない作曲家をメインに据えたI'VEと比べると、Kep1erの運営は、完全に「これまでCJ系で結果を残している人」を作曲家として起用している印象は顕著です。

これはIZ*ONEが今でも本当に大好きな自分だから感じるのかもしれませんが、I’VEは、IZ*ONEから意識的に離れようとしてると思うんですよね。デビュー曲にエキゾチックなメロディーを用いた、途中のBPM変化が印象的な楽曲を持ってきた、というのは共通しているんですが、そこにフォロー的な意識は微塵も感じられない。

むしろ、なんというか、IZ*ONEを超えていくという、強い決意みたいなものを感じました。

特に、アン・ユジンにとって、このグループのリーダーになったっていうのは、本当に本当に大きなことなんじゃないかな、と思います。

だってさ、IZ*ONE活動終了後に、普通にウンビちゃんのところにスンドゥブチゲ食べに行ったりしてたんだもの。メンバーたちと、完全に離れ離れになるのは嫌だったと思うんですよ。

でも、自分たちで新しい道に進む運命だった。コロナでしばらく休んでた時とか、いろいろ悩んでたのかもしれないなーとかも、まぁ、完全に憶測ですけども…。

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PD48偽リスト問題、La vie en Rose提供問題を経てKep1erに至るチェ・ユジン

一方、Kep1erは、IZ*ONEのテイストをB面曲に残している。なにより作家陣がかなりかぶってます。可愛さと同時に、芯の強さというか、優雅さと気高さを忘れない、というような。自分は、ここに、IZ*ONEを受け継ぐ部分もありながら、活動曲は全く違う方向性で、しかも国際的にわかりやすいものを提供する、という意思を感じています。

Kep1erのリーダーになったのは、チェ・ユジン。こっちもユジンなんですよね。そして、こちらのユジンは、そもそもPRODUCE48に参加するという噂が流れたことがありました。

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そして、IZ*ONEのデビュー曲「La vie en Rose」は、もともとチェ・ユジンの所属するCLCがレコーディングまでした楽曲だったものが、IZ*ONEに譲り渡された、という経緯があります。PD48、そしてIZ*ONEと浅からぬ因縁がある人なんですよ。

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もうこれは、世界中で自分しか唱えていない説なのですが、自分は、チェ・ユジンはもともとPRODUCE48に参加するはずだったんじゃないかな、と考えています。でも、なかったことになった。

理由はいろいろあるでしょうが、一つは、アン・ユジンの存在があるんじゃないか、と思ってるんです。だって、名前が一緒で分かりづらくなるから。ユジンが二人もいたら、注目度が下がるじゃないですか。

当時のスタシはCJというかMnetというかアンPDと蜜月状態です。そのスタシが売り込みたい逸材がアン・ユジン。そしたらCUBEのチェ・ユジンさんにはちょっと今回は遠慮してもらって…。や、CUBEの新人さんに参加してもらったら、バッチリ番組内で売り出しますし…。

最終的に班長がIZ*ONEに入らなかったのも、なんかいろいろそこら辺の事務所同士のサムシングもあるんだろうな、とか、まぁホント、アン・ジュニョン時代のこと邪推しだしたら何でもアリ感なんですけどw

で、いろいろあって、満を持して参加したオーディション番組、GirlsPlanet999で、チェ・ユジンは見事にデビューメンバーに選ばれ、リーダーに就任した。

さらに言うと、副リーダーに就任したマシロは、PRODUCE48の派生グループに参加するっていうウワサがありました。これも真偽不明ですが、運命のいたずら感があります。

PRODUCE48→IZ*ONEと因縁浅からぬチェ・ユジンをリーダーに据えたKep1erが、IZ*ONEに愛されIZ*ONEを超えようとするアン・ユジンがリーダーに立つI’VEと、2021年12月に正面衝突!デビュー曲にして世紀の対決!!

そして、まだまだ始まったばかりの二組の物語

となるはずだったんですが、Kep1erのスタッフが新型コロナ陽性でデビュー延期、デビュー予定日にはマシロとシャオティンの陽性反応が出るという…。いやマジでデビュー出来るのかよ…。なんかホント、ガルプラ絡みって「そこでそうなっちゃう?!」みたいの多いよね…。

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そんな不安の中で、久々にKep1erの誇る歌姫チェヒョン、PRODUCE48から華麗に進化したキムダヨン、そして我らが誇るヨンウンが、テヨンのクリスマス曲をカバー!これは文字通り沸いた!

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っつか、その2日前にI’VEリズが同じ曲をソロで歌ってる動画上がってるし!これ完全に無意識にかぶっちゃったやつですよねw

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最後に、これはどこかで文字にしておかないと、と思ってたんですけど、I’VEの求めているものって「強さ」だと思うんです。圧倒的な強さ、圧倒的な勝利、それがアイデンティティになっていくグループだと思います。それでこそ、最強のオールラウンダー、アン・ユジンの率いるグループなんですよ。

同時に、Kep1erは、どうしても「守ってあげたい」要素が出てくるグループになると思います。だってプラネット・ガーディアンが作ったグループなんですから、当然の帰結です。弱さや不運があっても、ガーディアンたちが絶対に夢を守る。そこには、チェ・ユジンの、隙があるけど愛嬌もすごいっていうキャラクターも影響してると思います。彼女、ほんと憎めないというか、カワイイですよねw 

when kep1er yujin forgets xiaoting's name - YouTube

いやー、ほんと、I’VEとKep1erは、なんだかコインの裏表というか、これからもいろんな因縁が見られそうで楽しみ!さらに言うと、ジョーカー的な存在というか、第四世代楽曲派筆頭としてBilllieが超面白いんですが、それはまた別の機会に!

ともかく皆様、2021年はありがとうございました!2022年もなんか書くのでよろしくお願いします!

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