とりあえず心の赴くままにスクショしまくって思うのはVioletaの継承と革新

ともかく速度重視でやります!IZ*ONEの新曲「Violeta」が公開になりました!


IZ*ONE (아이즈원) - 비올레타 (Violeta) MV

顔面が強すぎるキムキムズ(ミンジュ&チェウォン)

このグループはホント美人さんばっか、というのが特徴だと思うんですが、今作はともかくキムキムズ、つまりキム・ミンジュとキム・チェウォンに焦点が当たりまくったMVだった。

ミンジュはティーザから中心になることが予測できたけど、ラップまでやらせるとは思わなかった。ここで、IZ*ONEのラップ担当は固定じゃないことが確定したわけです。

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あんまりうまくスクショ撮れてなくて申し訳ないんだけど、チェウォンも大天使っぷりをキュートじゃなくて、ちょっとノーブルな感じで表現してて、スクリーンタイムが長いなーって思う。制作陣は彼女をしっかり魅せたかったんじゃないかな。

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群舞シーンの並びが、解釈すると結構面白い

最初の群舞シーン、センターがウォニョン→ユジンで、アンニョンズだ!って思うんです。

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次、小さくて申し訳ないんだけど、ひぃちゃん→チェウォンなんですよね。サムパンズだ!ってなるじゃん。

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次が面白くて、咲良→ユリなんだよね。咲良がアップになった瞬間に、これはチェヨン来るか?って思わせてスカすっていう。

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でも、ヘクラの並びなんかもあったりする。カンちゃんが咲良と並んでパフォーマンスして目を引くって、なんかPD48から見てたら泣きそうじゃないですか?

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ラストのあたりも面白いの。リーダーウンビ→MC担当のユジンっていう、これも仲がいいコンビだし、さらに言えばIZ*ONEをいろんな面で支えてる2人だと思うんだよね。

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大成長のカンちゃん、新たな側面を見せるひぃちゃんとウォニョン

 前半部分で、カンちゃんがみんなを引き連れて歩いて、その後待ってました!って感じでラップっぽくなるの、めちゃめちゃ感慨深くないですか?ホントどんどん育っていくよね。

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 ひぃちゃんが大美人に撮れてるのと、センターウォニョンがかなり幼いイメージで笑っているのも印象的。2人の新しい側面を引き出している。

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そして「La Vie en Rose」を継承する部分も

継承というか、ちゃんと参照してるよね。ラスト近くの最大に盛り上がるところでウンビがセンターに立ってガツンとダンスするところは、完全にラヴィアンローズの印象的なウンビパートを意識していると思う。

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そもそも、出だしの音からして、ちょっとラヴィアンローズの音に寄せていて、そこから全く新しい世界が広がっていく、というカムバックらしい表現をしている。

MVの隅々まで行きわたるスタッフたちの愛情

ここまでで思ったのは、IZ*ONEメンバーのいろいろな人間関係とか、これまでの取り上げられ方とか、そういうのを作り手がめちゃめちゃ理解して、そのうえで、そのまま使うものもあれば、新しい側面を見せたい!という部分もある、ということなんです。

作り手に愛がないと、こんないろんな人間関係とかキャラクターをMVに投影できないと思うよ。

というわけで、そろそろカムバショーケースが始まるのでそろそろ更新してしまいます!イェナや奈子ちゃんについて全く触れられなかったのが残念ですが!

カムバショーケースは晩御飯だからあんまり見れないかも知れないけどな!

今日やらないと明日になったら絶対変わっちゃうので!AIEA2019、俺の四半期!

絶対に明日のIZ*ONE/Violetaが上がると変わっちゃうと思うので…。イイ曲がたくさんあった2019年四半期を振り返ります!

1位 DIA/Woowa


[MV] DIA(다이아) _ WOOWA(우와)

とりあえず、ここまででこの曲がベストという人、結構いるんじゃないかと思うんですよね。いなたいディスコ・テクノという風情に妖しい寝転がりダンスに中東っぽい笛なんかも含めて、シンサドンタイガーまだまだ健在!という感じ。

2位 Cherry Bullet/Q&A

この曲が1位でも全然いいんだけどなー。CBはこれから大人になっていくと、どんどん味わい深いっていうかいろんなエロスを表現できるグループになるとめちゃめちゃ期待しているんです。ホントみんな個性のある可愛さがある。


[MV] 체리블렛(Cherry Bullet) _ Q&A

3位 PENTAGON/SHA LA LA


[MV] PENTAGON(펜타곤) _ SHA LA LA(신토불이)

結構最近の男子の中ではPENTAGON好きなんですよね。そんで、去年のベストに入れそびれたSF9みたいな極太ベースエレクトロがすごく良かったので、唐突に3位に入れておきます。まぁこの順位、あってないようなもんだし。

4位 Everglow/Bon Bon Chocolat


EVERGLOW (에버글로우) - 봉봉쇼콜라 (Bon Bon Chocolat) MV

ここが1位でもいいなーってか、Moon入れても良いんだよなーっていう。ハッキリ言って心配していたグループなんだけど、オリエンタルなメロディーを取り入れた楽曲も、PD48不参加メンもみんな魅力的で、ほんと今からカムバが楽しみですよ。してね!

5位 公園少女/Pinky Star


공원소녀(GWSN) - Pinky Star(RUN) MV

やー、これもイイ曲だわ。テクノの中でも、テクノポップ、特に2000年代後半の日本におけるガールズテクノポップっていうか、まぁデートピア感がすごい。あと、最近の曲にある溜めっていうかスカシが印象的でもある。

息子マンの寝つかせをしないといけないからあとはコメントなし!

6位 LOONA/Butterfly


[MV] 이달의 소녀 (LOONA) "Butterfly"

あ、一言だけ。このMV見て、世界の中心が韓国、みたいなイメージで作られていて、それは韓国のグループだから、当たり前っちゃ当たり前なんだけど、そこに違和感がないのが、日本人の自分としては、なんていうかパラダイムシフト感ありました。この曲が1位でもいいわ。

7位 Key/I Wanna Be


KEY 키 'I Wanna Be (Feat. 소연 of (여자)아이들)' MV

8位 CLC/Break Down


CLC (씨엘씨) Breakdown - Color Coded Lyrics [HAN/ROM/ENG]

9位 宇宙少女/La La LOVE


[MV] 우주소녀 (WJSN) - La La Love

10位 IZ*ONE/好きと言わせたい


IZ*ONE (아이즈원) - '好きと言わせたい (Suki to Iwasetai)' MV

というわけで、ITZYとかJBJ95とか入れそびれましたけど、年間ベスト級の並んだ4か月だったなー。ともかく4月からが待ち遠しい!特に明日の18時が!

 

 

IZ*ONE新譜「HEART*IZ」トラックリストから読み取れること

やー、夜中になんか目が覚めてTwitter見たら、IZ*ONEのトラックリストが公開されていたという…。これはいろいろ調べるしかないでしょう!

というわけで、 クレジットされてる名前からわかることをちょっとだけまとめてみました。全然結果的に違う感じになるかもだけど!

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いきおいで2009年の日本アイドルシーンをまとめたらめちゃくちゃ重要な年だった

先日の2009年韓国ガールズ・グループシーン時系列まとめをしながら思ったのは、日本はどうなってたんだ?ってことなんですよね。基本的に比較考現学な鈴木なので…。

で、まとめてみたら、もうなんかすごい年だった。やっぱりこのあたりで、東アジアに何か地磁気が影響してサムシング・グレイトが起きていたとしか思えない状況でした。

以下にずらーっとリリース日(記載のないものはシングル、アルバムはその旨表記)とMVなどを並べて、出来事もちょこちょこと入れてあります。

簡潔にまとめると大事なのは以下の4点です。

1 AKB48が初の選抜総選挙を開催、「RIVER」で初のオリコンウィークリー1位を獲得。

2 ハロー!プロジェクトが、変革を目指して様々な試みを行う(エルダークラブ卒業、後継ユニットアルバム発表、スマイレージ結成など)。

3 Perfumeの成功から、ライブアイドルシーンにテクノポップ系楽曲が急増。同時に、後の楽曲派ムーヴメントに繋がる流れも(トマパイ、バニビ、Negicco)。

4 でんぱ組.incももいろクローバーPASSPO☆東京女子流など、その後のアイドル戦国時代を担うグループが結成されるか、メンバーが加入。

他にも、超スキルフルでありながらタイミングが合わずに日本であまりヒットしなかった天上智喜の日本ラストアルバムが出たり、可憐Girls→さくら学院→その部活動として始まった、と考えたらBABYMETALに繋がる流れも。

先日のまとめに続いて、これも抜けや漏れがあると思うので、というか自分よりももっと詳しい人がいそうなネタなので、何かあればコメントにお願いします!

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2019年に振り返る!怒涛の2009年韓国ガールズシーン

もう完全にタイミングを逸した感がありますが、ずーっと下書きのところにあるので更新してしまいましょうw

シヒョン&イロン擁するエヴァグロが、年代ごとのカバーダンスをしてるんですが、その中で2006年~2010年代、6曲中5曲が2009年リリースの曲なんですよ。


[EVERGLOW] 걸그룹 연도별 안무 2010~2006

自分がAIEAを始めたのも、やっぱり2009年の韓国ガールズ・グループ・シーンが、これもうめちゃめちゃ面白かったからで、その頃の楽曲って、10年経っても色あせてないものが多いんです。

ただ記憶に頼るだけだと不確かなので、ウィキペやらいろいろ調べてちゃんと時系列で2009年を振り返ってみる、というのをやりたいと思います。リリース日がよく分からなかったものはリリース月のところにありますので!

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MUSIC MAGAZINE増刊「K-POP Girls」お手伝いしております!

 いやはや、ついにこの告知をする日が来てしまった…。

いろいろなサイトで書影が出始めましたね、MUSIC MAGAZINE増刊「K-POP Girls」。

もうね、表紙が良いですね、我らがIZ*ONEですもん!

K-POP Girls

K-POP Girls

 

実はこの増刊、自分もお手伝いさせていただきました。内容的には、PRODUCE48、そしてIZ*ONEにかけて、かなりガッツリ関わらせていただきました。

なんつーか、ここ最近あんまりIZ*ONEについてブログでもTwitterでも書けてなかったんですけど、理由はコレだったんですよ。絶対にネタバレ出来ないですもの。

最終的な仕上がりは自分もまだ見れていないのですが、PRODUCE48からずっとIZ*ONEが出来るまでを目撃してきた方々には、いろいろと感じていただける内容ではないかと思っています。

少しでもいろんな方に、IZ*ONEの魅力が届きますように!共有できますように!ぜひぜひ、お手に取ってみてください!!!


[릴레이댄스] 아이즈원(IZ*ONE) - 내꺼야(PICK ME)

 

なぜ彼女達は死と生を語るのか 劇団ハーベスト『DOLL』『肉体改造クラブ・女子高生版』

いろいろあって久々の更新になりますけども、先ほど見てきたばかりの演劇公演について書きます。という書き始めから、ずいぶん書き上げるまで時間がかかりましたw

連載をしているウレぴあ総研で、久々に劇団ハーベストの記事を書かせていただいたんですよ。

ure.pia.co.jp

インタビューの中でも語られているけど、『DOLL』と『肉体改造クラブ・女子高生版』(以下『肉体改造クラブ』)は、切っても切り離せない関係にある作品で、この二つを考えることで、現在の劇団ハーベスト自体を理解することが出来ると思ったんです。

おもっきり長いので、ここでやります。個人ブログだからできることがある!

『DOLL』と『肉体改造クラブ』をざっくり振り返る

まず、最初に『DOLL』と『肉体改造クラブ』を振り返りましょう。『DOLL』は全寮制の女子高が舞台。父母に見送られて入学した主人公が、4人の友人と出会います。

それぞれの葛藤と傷つきが語られます。最終的に5人は明け方の海を見ながら心中を図ります。これを劇団ハーベストではxチームとyチームの2組で公演しました。

次に『肉体改造クラブ』、これは3本のオムニバスです。1つ目のストーリーは「ダイエッター」。

ぽっちゃり体型で中学時代いじめに遭っていた少女が、過去の自分と対話しながら、両親に「自分の気持ちに気づいて」と訴えます。誕生日を祝うバースデーケーキの場面が印象的でした。

2つ目のストーリーは「ピアッシング」。女の子が、友人にピンで名前を入れ墨してもらうシーンから始まります。

二人とも母子家庭/父子家庭の家で、親に対して(自分に対して)鬱屈とした気持ちを抱えていて、それをピアッシングなどの形で表現して、親と衝突します。というストーリーが、二人が過去に想像したペルソナ(ギャル)による会話と並行して描かれます。

そして3つ目のストーリーは「ギャルゲー」。男性を主人公にして女の子と関係を作っていく、ときメモ的なストーリーかと思いきや、本当の主人公は、選ばれる側の女の子。

選ぶ側としての男性は、女の子が好きだったのに突然亡くなってしまった男子大学生であり、「憧れの男性に選んでもらう私」を妄想することで、その男性が亡くなったことから逃避していた(そしてそのことに両親が気づく)、というストーリーです。

これ、『肉体改造クラブ』は見たばかりなので記憶が鮮明、というのもあるとは思うんですが、それにしたって物語の構造が複雑なんですよ。

初見の時は『DOLL』も簡単ではないと思ったんですが、それにしても『肉体改造クラブ』は入り組んでいる。この複雑さを、不快な混乱ではなく心地よい混沌として魅せられるようになった劇団ハーベストは、大きく成長したんだなと思います。

死を語ることで、生を描いた『DOLL』

さて、少し内容について掘り下げて考えていきましょう。それぞれの少女たちの葛藤が描かれ、最後は主人公の章。彼女を好いてくれていた男子学生が、主人公に振られたことを苦に(他にもいろいろあったんだろうと思いますが)自殺してしまいます。

そして、終盤に5人が入水し、“少女は水になりました”と繰り返されます。この言葉を額面どおりに理解すれば、みんな死んでしまったという話の流れです。

いや、xチーム公演(主演加藤さん、宮武さん、篠崎さん、望月さん、葛岡さん)を見た時には、素直に「みんな死んだなぁ」って思ったんです。

命は儚くて、心の揺れがそのまま命を奪うこともある、思春期の心の揺れは、これまでにも様々な作品で描かれてきたテーマで、そのテーマを劇団ハーベストなりにしっかりと表現した、そんな印象を受けました。

でも、裏面とも言うべきyチーム(主演加藤さん、高橋さん、広瀬さん、川畑さん、弓木さん)の公演を見た時、その考えはちょっと変わったんです。

「本当に死んだのか?」っていう疑問が浮かびました。もっとはっきり言えば、見ていて、「この子たち、死なないな」と思ったんです。

あまりにも生命力にあふれていて、あまりにも生き生きしている。はかなげに海の中で息絶える、という姿が、いい意味で想像できなかった。明け方の海を見ながら「死んじゃおうか」なんて言いつつ、結局は水辺でパシャパシャとやって、そしてまた日常を送る、そんなイメージが浮かびました。

そのうちに、5人の少女たちは、日常を過ごし、全寮制学校を卒業し、いつしか少女ではなくなり、それぞれの人生を、一人の女性として生きていく。少女としての彼女たちは死にますが、姿かたちを変えて生きていく。水が氷から液体に、そして水蒸気に形を変えていきながら、それでも存在し続けるように。

これが、“少女は水になりました”のもう一つの意味なのかもしれないな、と思ったんですね。その意味では、むしろ「少女はもともと水でした」のほうが正しいのかもしれない、と。

そういう意味では、『DOLL』は、少女たちの死を描いているようでいて、少女たちが変化し続けることへの賛歌であり、大きな変化が起きる十代へのレクイエムなのだろう、とも思いました。

もちろん、何が正解かなんてわからないですし、インタビューにあるように、亡くなっている如月さんに聞いてみることは、もう出来ないんですが。

生を語り、最後に大きな死が広がる『肉体改造クラブ』

さて、『肉体改造クラブ』なんですが、こちらでは、基本的に登場する少女たちは死なない。死なないけれども、辛い思いをしながら日々を生きている。こうして、辛い思いをしながら、少女たちは大人になっていく、という印象を受ける作品でした。

少女たちは直接的には死なない、でも、死と生にまつわるモチーフは数多く語られます。

第1話では、ぽっちゃり体型だった昔の少女は、過去のものとなり(=死に)、「人生は捨てたものじゃない」とは言えるけれど、深く傷つき、過食し嘔吐する少女へと生まれ変わります。誕生日とバースデーケーキが印象的、かつそこで停電が起きるのは、そのまま生と死のメタファーでしょう。

第2話では、思い通りではない日常の自分を殺して嘘をつき、新しい自分になるために自分を傷つけ、存在を確認する二人の少女が主人公。その二人と入れ違いに出てくるギャル二人が、実は主人公たちが過去に名乗っていた架空の人格であることが最後にわかり、そして場内は暗転します。これも停電のためです。

第3話は厄介です。主人公が恋した家庭教師の男子大学生が交通事故で死んでしまった、という形で、直接的に死が描かれるのですが(ここが完全に『DOLL』とかぶってるなーって感じでしたが)、これ、そんなに単純な話なのか?っていうのが大きな疑問として残りました。

この話、あんまり肉体が改造されてないんですよね。これまで、肉体改造クラブというタイトルのもとに痩せる・傷つけるという形で改造を行ってきたストーリーの後に、なんでこの話なんだ?って思ったんですよ。

このストーリーは、端的に言えば肉体を改造してないんですよね。強いて言えば、記憶を改造して、慕っていた大学生が死んでいないことにした。

もうこれ以上距離が縮まらないことを、ゲームの中の出来事である、として自分なりに納得させようとした。記憶=心=脳も肉体の一部である、というロジックもあり得るとは思うんですが…。

あともう一つ、すごく気になったセリフがありました。3話のラストにも停電があって、真っ暗闇の中で、主人公が両親に抱かれて「暖かな闇が来るから」というような言葉を言われるんですが(これ戯曲に当たってちゃんと確認すればいいんですけど書き飛ばし記事なのであえてやりません)、この表現、なんか引っかかった。

「暖かな闇」、すなわちこれ死を意味してないか?と思ったんです。

3話目は、まず男の子がゲーム内の女の子を選ぶところから始まる。キャラクターを選んで、その性格や髪型、出会いのシチュエーションを選ぶ。そこでゲーム内の女の子=主人公に出会うんだけど、実は本当の主人公は女の子の方で、男の子が死んでいる、という話です。

が、これ、本当に実在しているのは、男の子の方で、主人公の女の子は、やっぱりゲーム内の存在なんじゃないか?って思ったんですよね。

ゲーム内の沢山の女の子から、主人公の子は選ばれる。でも、選ばれなかった子たちはどうなるんだろう?そして、ゲームが終わる時(=電気が消えるとき)、女の子たちはどうなるんだろう?

第3話は、肉体を持たない女の子に、穏やかな死が訪れる姿を描いた作品なのかもしれない。もうすでに、ストーリーの序盤で男の子の望むように肉体は改造されています。そして、クリアできなかったがゆえに、女の子は消えてしまいます。暖かな闇に包まれながら。

まあ、もう、これは完全にこじつけっぽい解釈ですが、それにしても、男の子の死からして、3話はあからさまに死のにおいが濃厚な作品でした。

生き続ける少女たちを描いた作品の最後に、肉体を持たない生命の死という、大きな死のストーリーを持って来たのかもしれない。

もしかすると、停電してしまったのは(ゲームが止まったのは=暖かな闇が訪れるのは)、男の子が本当に亡くなってしまい、だれもそのゲームをプレイすることがなくなったから、かもしれませんね。

なぜ『DOLL』と『肉体改造クラブ』を選んだのか

さてさて、なぜ劇団ハーベストは、『DOLL』と『肉体改造クラブ』という作品を選んだのでしょうか。

二つの公演には、大きな共通点があります。二つとも、十代の少女たちの心の揺れを描いています。そこが、劇団ハーベストの皆さんの琴線に触れたのでしょう。

渦中にある十代ではなく、少し距離を置いて見ることのできる二十代だからこそ表現できる。観客を主体においた理由づけです。それはそれで正しいと思う。

でも同時に、『DOLL』と『肉体改造クラブ』を公演する、彼女たち自身のニーズもあったと思うんですよ。

インタビューの中でも語られていますが、両公演ともに家庭のシーンがあります。『DOLL』は、何不自由なく育った少女が、思春期の心の揺れだけで死を選んでいく姿に印象を残したいからこそ、両親の姿があまりはっきりとは見えない。

劇団員がワンシーン演じるだけ。お父さんには(つぶしていながらも)胸があったりする。ほぼ少女の分身です。

他の大人は、現実味のないシスター衣装の先生や、記号化された耳や目など。大人たちがほとんどファンタジックな存在でしかなかったのが『DOLL』です。

でも、だからこそ、少女たちの存在の危うさと、それでいて無限の可能性が開かれているエネルギーが表現しえたのだ、とも言えるでしょう。

それに対して、『肉体改造クラブ』には、生身の存在としての大人がいた。『DOLL』が劇団員=うら若き少女たちだけで構成された公演だったのに対して、『肉体改造クラブ』は、劇団史上最多のゲストを迎えていました。

中でも、父親役の瀬尾タクヤさん、母親役の小野由香さんのお二人が素晴らしかった。10代20代の少女には演じることのできない、大人の匂い立つようなリアリティがそこにはあった。だからこそ、親子の間に生まれる軋轢に、リアリティが感じられたのでしょう。

人生の中で、十代から二十代にかけての青春期は、両親に守られる子どもとしての自分から脱皮して、大人として自立した自分を作っていく時期です。

『肉体改造クラブ』では、「子どもとしての自分ではなく、自立した一人の大人としての自分になっていく」という姿がハッキリと描かれました。子どもとしての自分の死と、大人としてもがき生きる自分の誕生が、くっきり浮かび上がりました。

『DOLL』と『肉体改造クラブ』は、様々な形で死と生を語りながら、新たな自分に生まれ変わる、青春期を描いたのではないでしょうか。

なぜ、劇団ハーベストは死と生を語るのか

こうやって考えていくと、劇団ハーベスト自体が、いま、青春期にあるんだな、と思ったんです。

劇団ハーベストは、結成当初は大人たちから庇護される存在だった子どもでした。そして、その時期を抜け、自分たちの力で歩もうとしています。

制作スタッフのみなさんや、演出する中村公平さんという大人の力がなくしては、まだまだ成り立たないことも確かです。本当に素晴らしい大人たちに支えられている。

でも、それでも彼女たちは、自分たちで出来ることを探し、自分たちとして生きることを模索しているんです。ただ大人に言われていることをこなしていく子どもの時期は、終わったんです。

だからこそ、死と生のテーマが繰り返し語られる、青春期のストーリーを選んだのではないでしょうか。

同時に、劇団ハーベストという集団自体、何度も死を経験し、そしてまた生まれかわりつづけます。

具体的に言えば、劇団員が抜けていきます。今回の『肉体改造クラブ』でも、音楽面で劇団を支え続けた広瀬咲楽さんが退団しました。

彼女のブログに、こんなことが書かれていました。

lineblog.me

これから先も変わり続ける日々で、みんなにとって希望の明日が待っていますように。
退団して今まさに自分の道を歩いている劇団員たちも、梨里香、瑠菜、紗良、光瑠、佳央、新菜、有のことも。

広瀬さんは、退団したメンバーたちのことも書いているんです。この感受性は本当に素晴らしい。

この長々と書いた文章で言いたかったことは、もうすべてこの2行に集約されていると言っても過言ではないですよ。

退団したメンバーは、新しい道を歩んでいます。アットホームのお店の前にいけば、いつでも久保田紗友さんに会えます。鈴木悠巴(現 鈴木ゆうは)さんは、本来の道である音楽も続けながら、ミスマガでグラビアもやって、さらには演劇もやっています。

山本萌花(現 山本あかり)さんのように、映像スタッフとして支える立場になる人も居ます。弓木菜生さんのように、全く新しい道に挑戦した人も居ます。青山美郷さんや布施日花梨さんは公演を観に顔を出しているようです。松永ミチルさんや井上結愛さんも、今どこかで自分の道を歩いているはずです。

彼女たちは劇団ハーベストの一員としては退団しました=死にました。でも、新しい道で生きている/生まれ変わっている。そう、なんなら篠崎新菜さんのように、また戻ってくる人まで居ます。

そもそも、“ハーベスト”という名前自体、死と生を内包しているんですよ。収穫って、植物というか穀物というか、たくさん死ぬじゃないですか。豊かに実った命が、大量に刈り取られ、死んでいくのが収穫です。でも、その刈り取った穀物によって、人間は生を永らえる。

演劇だって、そうです。公演ごとに、役者たちは自分に新たな人生を宿らせる。でも、公演が終わるごとに、その生を終わらせる。そうでないと、次の芝居に向けないですから。でも、一つ一つの役が、命が、役者の中に、観客の中に息づいて、また新しい物語を語り始める。

生と死のテーマは、人間にとって普遍的なテーマであり、ベタっちゃあベタなテーマです。どんなテーマだって、言葉を使えばどこかで生と死に引っかかる。

どんな集団・個人の、どんなフォームのどんな作品だって、突き詰めていけば生と死にぶち当たる。だから、ここまで書いてきたことは、ただの詭弁に過ぎないかもしれない。

でも、一つだけ間違いないのは、これから劇団ハーベストが、本当に大人になっていこうとしている、ということです。青春の悪戦苦闘を乗り越え、大人の劇団になっていくのかもしれない。

そりゃ、もしかすると、どこかで表面的には止まってしまうのかも知れない。でも、そうだとしても生まれ変わって、また彼女達は生き続けるのでしょう。

せっかくなので、彼女たちの死と生を、もっともっと見届けていきたいな、と思ったのでありました。

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