最近SFばっかり読んでる 「月は無慈悲な夜の女王」と「銀天公社の偽月」

わ、今気づいたけどどっちも月だな ルーナプリズムパワー!
というわけで、まずハインラインの名作「月は無慈悲な夜の女王」読み終わりました
つってちょっと前に読み終わってたんですけど書くの忘れてた

月は無慈悲な夜の女王 (ハヤカワ文庫 SF 207)

月は無慈悲な夜の女王 (ハヤカワ文庫 SF 207)



思ったんだけど、俺の中のSFって、えー、Supernatural Fantasyというかね
なんか異様なことが続々起きて物語の渦に飲み込まれていくというかね
そういう話が好きなんだな、っていうことを思ったわけですけれども
この「月は無慈悲な…」は、ちゃんとScience Fictionだったというか
科学っていうよりも、ハインラインって軍隊にいたらしくて、その経験なのだろうか
一つの国が独立に向けてどのように戦っていったかを描いていくという感じで
実際の戦争やらに比べたらそりゃあずいぶんとファンタジーなんでしょうけども
次から次にSF的キャラクターや装置やらが出てきて物語が加速するというより
その入念に描かれた世界で起きていく経緯を楽しんでいくといいますかね
おもしろいはおもしろいんだけど「へえー!」という感じでした


そして今日というか3時間くらい前に買って先ほど読み終わったのがこちら
椎名誠のSFとしては最新作になるのかな?「銀天公社の偽月」
銀天公社の偽月

銀天公社の偽月



釜山蔚山の旅をしてから、自分のスタイルの源流に椎名誠を見つけて
おおなつかしい!と思って旅のルポものから、SFシリーズものまでイロイロ読んでて
大体がもう持っている本を読み返す、ということだったんだけれども
探していたら、2006年にもSFモノが出版されているということで、買いました


椎名誠のSFで有名なものは、いわゆる三部作、と呼ばれる作品群で
「アド・バード」「水域」「武装島田倉庫」という三作品なんですけれども
そのうちでも、もっともハードボイルドというかワイルドというか雑然というか
男臭くヤニ臭くフーゼル油臭いのが「武装島田倉庫」という作品
化学兵器が多用された戦争後に異体進化した超常生物が蠢く中を
ヤケに渋い男たちが逞しくも激しく生き抜いていく様子、みたいな感じ
いろいろな短編で、この「武装島田倉庫」の世界は断片的に描かれていて
この銀天公社もその世界観を受け継ぐ作品なのです 登場人物の灰汁出るし


そして銀天公社は、島田倉庫よりもなんだか、暗くて重たくて気が滅入る
ずっと脂雨が降っている街やその周辺が描かれているから、というのもあるけど
ジトッとした、どころでは済まされないような、湿度と粘度が感じられる


というかね、オビに「100年後の純文学」とあるんだけど、なんかわかるというか
島田倉庫のように胸ワクワク!という話ではないんだけど、なんだろうな…
ところどころで描かれる人の切なさや虚しさみたいなのが、なかなか鋭い
独特の単語が散りばめられすぎているせいもあるけど、胃に来る重さだ


あと、食べものがあんまり美味しそうじゃないなあ…って思った
もう年をとって、食べることにあまり興味をなくしてしまったのかも
なんかこの「食べる」ってこと自体が、特色だったから少し寂しい
自分の旅行記ではワシワシ食べていこう!と心に誓ったのでした


つか本もさくさく読みすぎるとなかなかお米かかるなあ
まあでもSFはもっと読もうっと

忍者TOOLS
点取り占いブログパーツ