PRODUCE48とは忘れられた小嶋真子の物語である

最近、記事を書くとか、取材するとか、そういうことを除けば、このことばかり考えております。
PRODUCE48、もう9回終わってしまいました。あと3回を残すのみになってしまいました。
もっと早く書けばよかったんだけど、タイミングが合わなかったので、今、書きます。
 
この企画は、いったい何だろう?ということばかり、頭の中をめぐっているわけです。
概要的には、クオリティ重視、パフォーマンス重視の方向性が極まりまくった韓国アイドル界に
ファンサービス重視、話題性重視の方向性で日本を制圧してきた48グループが飛び込み
最初は厳しい評価を浴びながら、徐々に成長していき、国境を越えた友情をはぐくみながらデビューを目指す、と。
そういう全体的なストーリーで、これ、本当に48グループで良かったな、と思いました。
 
他の大手だったら「日本にも全力がある!」とか「日本だってパフォーマンス重視だ!」とか
そういうことを言わなきゃいけなくなって、最初にブレが出てしまった可能性が高い。
握手会、総選挙、メディア露出…そういう色が強くて、かつ、「負けられる強さ」がある。
そういう意味で、48グループが出てきたのは、非常に番組のスタートが見えやすかったと思います。
 
実際に、初回の事務所評価では、「日本の練習生は全体的にパフォーマンスレベルが低い」と
そういう流れから、じゃあトップはどうなの?っていうことで宮脇さんと松井さんが出る、と。
その流れを受けた2回目は宮脇さんの物語で、パフォーマンス面では荒削りな宝石が輝きだす。
2回目までの放送で「これはさくらデュースだ!」とバッシングされた、とあるけど、そりゃそうですよ。
そう作っているんだもの。
 
この番組を作るのって、えらい大変だと思うんですよね。膨大な映像資料があってそれを編集する。
練習中、宿舎の中、インタビュー、あとはそれぞれの書いた日記みたいのも使ってますよね。
悪魔の編集とか言われてますけど、すべての参加者を、完全に平等に放送するなんて出来るわけがない。
膨大な映像資料を一つの番組にするためには、ある一定の方向性、「角度(アングル)」を持つしかない。
第2話までのアングルは「宮脇咲良がセンターに立つまで」ということだったと思っています。
 
じゃあ、すべてが最初に書かれたシナリオ通りか、というと、そんなことはないでしょう。
SNS、動画サイト、番組への投票、いろんな視聴者からのフィードバックがやってくる。
その反響を踏まえて、次のパートは、どんなストーリーを描いていくかを考えていく。
そのストーリーによって、新たな反響があり、その反響に対して説得力のある結果が作られていく。
それが、何回かに一回ある、順位発表の回ということなんだと、自分は理解しています。
 
第一回の順位発表、ギリギリ生存の58位に残ったのは、AKB48研究生の佐藤美波さんでした。
59位は中野郁海さん。その差は、グループ評価チームの勝利ベネフィットで決まった、と発表されました。
佐藤さんは、“余り物組”、“地獄組”と言われたブンバイヤ2班で、カン・ヘウォンcと意気投合。
次のコンセプト評価の間にも、カンちゃんとの絆を深め、そのイチャイチャぶりは順位発表回の見どころでした。
 
本当に票数が佐藤さんが中野さんの上だったのかもしれません、でも、そうじゃなかったかもしれません。
それはわからないんですが、佐藤さんが残って、より面白い見どころが出来た感は強いです。
同時に、カンみなのいちゃつきは、自然発生だとも思います。誰かに言われてあんな風になれないと思うんですよね。
作為と不作為が交差して、作品が織りなされていく。これ、モキュメンタリーともまた違います。
 
で、個人的には、そういうのを「やらせ」とは言わない方が面白いというスタンスです。
提供側のストーリーは、実際の反響とあまりにも乖離すると、説得力がなくなってしまうんですよ。
実際の反響を考慮しつつ、さらに面白そうなストーリーに結び付きそうな展開を考えつつ、結果を作っていく。
これ、めちゃくちゃクリエイティヴで刺激的な、そしてしんどい作業なんだろうな、と思いながら見てます。
 
あと、反響は、投票だけではなくて、各動画サイトでの動画の再生数やコメントとかも含まれると思うんです。
3か月前にこのブログで、そしてその一か月後に、連載しているウレぴあ総研で、再生数比較で記事化しています。
アイドルシーン大注目『PRODUCE48』を徹底解剖! 動画で全メンバー徹底分析してみた(1/5) - ウレぴあ総研
 
こうした動画が、制作側にとっての一つの目安、観測気球になっていると考える理由はいろいろあるんですが
例えば、事前動画の一つ、「箱の中身はなんだろな」で、日韓ペアになっている人たちを列挙してみます。
名前の横にある印は、◎=9話時点で12位以内、○=ポジション評価生存、△=ポジション評価脱落、×=グループ評価脱落です。
「キム・チェウォン△&後藤萌咲○」
竹内美宥○&キム・ヒョナ△」
「イ・シアン○&宮崎美穂◎」
「キム・ダヘ×&松井珠理奈(リタイア)」
「イ・スンヒョン×&白間美瑠○」
チェ・ヨンス×&山田野絵△」
「カン・ヘウォン◎&村川緋杏△」
本村碧唯△&ユン・ウンビン×」
中野郁海×&ペ・ウニョン△」
宮脇咲良◎&イ・カウン◎」
「チェ・イエナ○&中西智代梨△」
「ハン・チョウォン○&長谷川玲奈×」
小田えりな×&チョ・ヨンイン×」
本田仁美◎&キム・ナヨン○」
「下尾みう◎&パク・ジウン×」
コンセプト評価に二人とも進めなかった組は、小田さん&ヨンインc組のみ(リタイアした松井さんもグループは突破)。
コンセプト評価脱落となったメンバーも、山田さん、本村さん、中西さん、チェウォンcウニョンcにヒョナ様と、かなりのインパクトを残した顔ぶれです。
9話時点での順位で言えば、12位以内の日本人は、なこみくコンビだった矢吹奈子さんを除く全員が、日韓ペアで箱の中身をやっています。
この人たちには、制作側がある一定の期待を持って参加させたと考えていいのではないでしょうか?
 
そこで、一人の日本人参加者が、目立ってくるんです。小嶋真子さん、やっと本題に入れたというか…。
先ほど貼った事前動画再生回数ランキングを見ると、小嶋さんは宮脇&松井という強力ツートップに次ぐ3位でした。
個人的には、PD48では小嶋さんが大爆発するものだと思って、ずっと見ていたんですよ。
でも、全然、番組の中で取り上げられない。彼女に全く焦点が当たらないわけです。こりゃどういうことだ?と思っていた。
 
事前に全く知らなかったんですけど、彼女、ダンスがすごいんです。日本の練習生の中でもベスト級にメキメキ伸びていた。
脱落することになったポジション評価でも、キレッキレのダンス、しかもずっと笑顔。これだけ見たら残留確定レベルだと思います。

PRODUCE48 [단독/직캠] 일대일아이컨택ㅣ코지마 마코 - Fitz&The Tantrums ♬HandClap @댄스_포지션 평가 180720 EP.6

 
さらには、コンセプト評価のための練習動画では、媚びずに美しい女性を歌った楽曲『I AM』を完璧に表現している。
多分この組、個人的に今回のPD48の中でも一番好きな楽曲とメンバーになると思います。衣装もステージも、もう絶対に見られないけど…。

PRODUCE48 [단독/48스페셜] 콘셉트 평가 연습 영상ㅣ♬ I AM_2조 180803 EP.8

 
じゃあ、彼女がただパフォーマンスを磨いて、他の参加者と全く関わらなかったかというと、そんなことはないんですよね。
すごく端的に表れているのが、ポジション評価後の順位発表が終わり、生存者と脱落者が別れを惜しんでいるところ。
45秒くらいのところで、キム・ミンソcに「日本に行かないで」と泣いて別れを惜しまれている。きっといろいろ交流があったんでしょう。
でも、その交流は、まったく放送されることがなかった。なぜなのだ!

[ENG sub] PRODUCE48 [8회] ′꼭 다시 만나′ 연습생들의 두 번째 이별 180803 EP.8

 
一つには、小嶋さんの平和主義的なスタンスがあるのかも、と思っています。
いつも笑顔で、リーダーやセンターに立候補している姿を見たことがありません。たぶんしてないと思うんですが…。
元々の彼女の性格を知っているわけではないので、正確かどうかはわからないんですが、PD48を見ている限りでは平和主義者だった。
そこは、制作側がドラマを作ろうとしたときに、あまり琴線に触れなかったポイントなのかもしれません。
 
もう一つは、日韓友情枠が、カンみなで埋まっていた可能性もあると思います(笑)。
日韓の友情をテーマに、あれ以上のインパクトのある関りをするのは難しいと思いますし、それだとストーリーに組み込みにくい。
そしてもう一つは、相手の子がHOW所属で、勝ち抜く可能性があまりなかったのもあるかもしれません。
第一回からカンちゃんは「美人だけどポンコツ」的なキャラで既に何度もフィーチャーされていましたし。
 
で、コンセプト評価ですが、これまでは1曲につき6人のチーム編成だったようで、中国版の創造101でも6曲36人だった。
今回も36人になるのか、と思われたところで、1曲につき5人の、30人生存ということが発表された。
小嶋真子さんは34位で、36位まで生存であったら、生き残った順位でありました。
 
はい、ここからは妄想であります。
コンセプト評価の舞台には、これまで脱落した参加者も観覧に来る、というサプライズがありまして
メンバーが、AKB48から千葉恵里&佐藤美波の2人、韓国はコ・ユジン、ソン・ウンチェ、キム・スユン、キム・ソヒの4人
ブンバイヤ2班で人気のあった千葉&佐藤はわかる。韓国側も、30位候補になったコ・ユジン&ソン・ウンチェはわかる。
でも、なんでキム・スユン&キム・ソヒがいるんだろう?ウリムだから?とかいろいろ考えたんですけども
2+4で合計6人なんですね、これ。30+6で、36人。これ、最初はやっぱり36人でコンセプトに進む予定だったんじゃないでしょうか?
 
でも、なんらかの問題で、30人にせざるを得なくなった、でも、36人を呼ぶという契約は交わしていた。
なので、早すぎる脱落者召集となったのじゃないか、というのが、自分の妄想であります。
そして、すべての順位がガチじゃないにしろ、きっと当落線上にいた小嶋真子さんは、30位までになったことで脱落した。
いろいろな事務所との関係調整、契約の取り決め、今作に至っては国際的な問題もはらんでいる。
調整すること、話が変わること、もう、いろんなことが起こりえると思います。
 
そんな中で、あれだけのパフォーマンスを見せ、目に見えない交流を続け、自分を鍛えていった小嶋さんは脱落した。
彼女が、PD48のいろいろな要因に振り回されて、結果としてワリを食ったような、そんな気がしてずっと気になっているのでした。
でも、そのいろんな要因こそが、PD48の醍醐味であり、面白くしている部分であり、とも言えると思うんですね。
そういう意味で、小嶋真子さんが制作陣に忘れられたかのように去ったのは、ああ、PD48がPD48であるがゆえ、なのかもと思ったのでした。
 
さらに言ったら、ウィスプルびいき!と言われてましたが、そりゃ有力事務所との提携なくしてはこんな企画が出来るわけないので
PLEDISから一人は絶対に入りますし(キリンちゃんはカウン先輩が不評だった場合の保険?だったかもだけど自身がワリを食って可哀そう…)
スタシも間違いなく一人は入るでしょう、出来れば二人とも。SISTAR出身の先生もMCも出してるのに、スタシが絡まないわけがない。
そして、問題にされなかったウリムも入るでしょう。もちろん、ウンビ姉さんが説得力高い、っていうのもあります。
でも、なぜかコンセプト評価の観覧に脱落者二人が入ってるのを考えると、制作側との蜜月もうかがえる、という気もいたします。
そうすると、キム・チェウォンcも入ってくるか、押し出されるのは「ウィスプルひいきしてないです!」感を出すためにウィエファのイェナ?
そんな感じの事務所間の力関係とかもいろいろと考えて見ていると、や、もう、他のコンテンツに頭がいかないのよ!
 
そしてここからは完全に余談なんですけど
PD48の参加者を追うためにInstagram使い始めたけど、いやはや、韓国のアイドルはインスタ映えすごいね!
簡単に言うと外タレ感がすごくて、こりゃ、いろんな国の若い子が憧れるわ…と感服いたしました。
そして、48グループの方々も積極的にインスタを使ってて、こういう方向性も攻めていくのか!と。
PD48でつかんだK-POP好きの女子ファン層を、インスタでしっかりキープする、みたいなこともありえるのか、と。
本当にPD48は、大きな意味をもつ番組になったと思いますよ。全然違う層の人を取り入れたもの。
海外公演も、もっとやりやすくなるでしょうねコレ。
 
もう一つは、数年後とかに、またやったら面白いかもしれないなーってことです、PD48。
今回は脱落したけどまた参加する、とか、そういう歴史性も出てくる。新しい参加者も出てきたらいいと思うし。
怖いのは、PDシリーズとSRが悪魔合体した時に、最恐の国際的マネタイズシステムが出来上がるんじゃってことですね。
 
というわけで、泣いても笑ってもあと3回。いろんな契約とか大変なんだろうなー、下手するともう決まってるのかなー。
万が一HKTからは1人しか出せないって決まってたらどっちが出るのかなーとか、いろいろ考えてしまいますけども…。
ともかく毎回全力投球でリアルタイム視聴していきます!あー楽しみだ!終わるのが寂しいけどな!

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