<オカルト注意>「Fiesta」は予言であり、IZ*ONEは神の姿をした人間である

IZ*ONEがFiestaでカムバしてから、約一週間。これまでの、IZ*ONEのどの楽曲よりも、なんというか頭の中でずっと鳴り響いているというか、心を捉えて離さないというか…。

楽曲としての好みというか、EDMから先祖返りしてテクノサウンドになっているシーン全体の流れを踏まえていることとか、キリッキリに仕上げたところを映像に収めたところで3か月のブランクを与えて、もう一度呼び寄せてパフォーマンスしているところとか(これはそのうちにちゃんと考えたい)、ともかく考えるべきポイントがすごくたくさんあるんですが…。

これは、今のタイミングでしっかり文字にしておかないといけないな、と思ったところがあるんです。Fiestaの歌詞、今のIZ*ONEにフィットしすぎてませんか?ちょっと怖いくらいに。

というところから始まった「Fiesta」分析、MVの内容も合わせて考えるうちに、かなりオカルティックな方向に突き進んでまいりました。

というわけで、今回は相当オカルトな記事になります。オカルトっつっても、こんな偶然がある!すげえ!みたいな話であります。そういうのが嫌な方は、今回はスルーしてください。逆に、そういうの好きな方は、ぜひお楽しみくださいw

 「Fiesta」歌詞は、「空白の3か月とその復活」を予言していた

まずは、「Fiesta」の歌詞から見ていきたいと思います。出だしが今の状況にピッタリ!という話は結構話題になってたんですが、全部の意味を把握すると、これ、本当に今の状況にものすごくフィットした内容になっているんです。

歌詞を自分なりに意訳してみました。下のスーツダンス動画(歌ってるパートがわかりやすい)の英語訳と、下に貼ったサイトの日本語訳を参考にしながら、ハングル出来ないおじさんが意訳しているので、間違いなどご容赦下さいませ。

例えば「花粉が舞えば」というところは、花粉症しんどいし日本であんまり言わない気がするので「花びらが舞い散れば」としてある、みたいなアレンジをしてあります。


아이즈원 컴백! 피에스타 수트댄스 | IZ*ONE _ FIESTA | 아이즈원 | 축제 | Suit Dance

lyricskpop.net

「Fiesta」鈴木妄想意訳

IZ*ONEの現状にリンクしている部分は太字にしてあります。歌詞前のカッコ内は、そのパートを歌っているメンバーです。

(チェウォン)

やっとその時が来たの もう待つのは終わり

(ユジン)

私は固まった心を解きほぐして

思いっきり背伸びしてみる Ah

(ウォニョン)

いつの間にか私のまなざしは濃くなってる

(へウォン)

これからが、私の時間

 

(ミンジュ)

朝に声かける Oh

今日はいい日になるね

(サクラ)

届かなかった夢は、もうすぐ近くにある

(ヒトミ)

ただ一人、私だけの為に Woo

祝祭を開いてみる 

(ナコ)

今がその時だよ 私がそう決めたんだから

 

(イェナ)

鮮やかな花が咲き誇り 花びらが舞い散れば

祝祭は絶頂になる

これは終わらないクライマックス

 

(ユリ)

私の全ての瞬間は、美しく眩しい

これだけは覚えておいてね

(ウォニョン)

“それは今”

 

(ウンビ)

Fiesta

私の心は太陽を飲み干して

私は永遠に燃え、沈むことはない

この全ての季節

 

チェヨン

私の全ての季節は

毎日が華麗な祝祭

 

(ウォニョン)

一度くらいは遊びに来てよ

It’s my Fiesta

 (ヒトミ)

なにもかもが祝祭だから

(ミンジュ)

It’s my Fiesta

 

(サクラ)

私はここから始めるわ

もっと期待してくれたっていいよ

(ウォニョン)

もっと飛び上がってもっと叫んでよ

これは幻じゃないから

 

(ミンジュ)

ずっとずっと前から夢見てきたの

(へウォン)

君と私が特別になること

 

チェヨン

星たちに話しかける Oh

明日はもっと良くなるよ

(ヒトミ)

何が起きたって、もう怖くない

 

(ナコ)

ただ一人、私だけの為の Woo

祝祭は続いていく 

(サクラ)

私を包む見知らぬ芳香は、より鮮やかになる

 

(ウンビ)

鮮やかな花が咲き誇り 花びらが舞い散れば

祝祭は絶頂になる

これは終わらないクライマックス

 

(ユジン)

私の全ての瞬間は、美しく光り輝く

これだけは覚えておいてね

(へウォン)

“それは今”

 

(チェウォン)

Fiesta

私の心は太陽を飲み干して

私は永遠に燃え、沈むことはない

この全ての季節

 

(ユリ)

私の全ての季節は

毎日が華麗な祝祭

 

(サクラ)

一度くらいは遊びに来てよ

 Fiesta

 

 (ミンジュ)

ずっと目を閉じて

止まっていた私を起こして

 

(ウォニョン)

あなたが私の中にいる私を

ゆっくりと抱きしめてくれたら

(チェウォン)

色とりどりに、私はもっと輝いていく

(ユリ)

毎日夢見ていた,本当の私に近づいていく

Oh yeah

(ミンジュ)

“それは今”

 

(イェナ)

Fiesta

私の心は太陽を飲み干して

私は永遠に燃え、沈むことはない

この全ての季節

 

(ユジン)

私の全ての季節は

毎日が華麗な祝祭

 

チェヨン

一度くらいは遊びに来てよ

It’s my Fiesta

 

(チェウォン)

私を今、輝かせる

(ユジン)

なにもかもが祝祭だから

(ウンビ)

この瞬間、私を躍動させる

(ウォニョン)

It’s my Fiesta

活動停止前に書かれた歌詞通りに復活したIZ*ONE

どうですかね、これ、意味を把握しているうちに、うわーすげぇ…って言葉を失うぐらい、ガツンと来ました。かなり、今の状況に合ってません?

(チェウォン)

やっとその時が来たの もう待つのは終わり

 すでに話題になっていたこの出だし。もう、そのまんまですね。

(サクラ)

私はここから始めるわ

もっと期待してくれたっていいよ

(ウォニョン)

もっと飛び上がってもっと叫んでよ

これは幻じゃないから

ここなんて、完全にファン向けですよね。心機一転のリスタート、ライブを盛り上げてほしい、私はもう幻じゃない、と歌うわけです。

チェヨン

星たちに話しかける Oh

明日はもっと良くなるよ

(ヒトミ)

何が起きたって、もう怖くない

 ここもすごいです。これまでの大変さを乗り越えて、未来に賭けたいという気持ち、負けない強さを身に着けたことを宣言しているよう。

 (ミンジュ)

ずっと目を閉じて

止まっていた私を起こして

 後半のこの部分も、そのまんま。止まっていた彼女たちが、やっと目を覚まして動き出した姿を描写しています。

驚くべきなのは、この曲が、PRODUCE101問題でアンPDが逮捕される前に出来上がっていて、MVも出来上がっていた、という所だと思うんです。IZ*ONEが何カ月も活動できなくなる、という状態を想定していないまま、出来上がったんです。

もちろん、この曲は、「Violeta」から7カ月というブランクを経て、韓国でのカムバをする、という状況のために作られた曲です。なので、「お待たせしました」的なフレーズが入っていても、何の不思議もない。

でも、それにしても、2019年11月11日に予定通りカムバックした場合と、3か月間の活動停止、解散すら噂された状況からの復活を経て、2020年2月17日にカムバックした現在を比較すると、現在の方が比較にならないくらい強い印象を残します。

「Fiesta」MVもまた、IZ*ONEの現状を予言していた

しかも、しかもですよ。こういう偶然の一致は、歌詞の内容だけじゃないんです。MVの中で使われるイメージの中にも、かなり、現在のIZ*ONEの状況とリンクしているんです。


IZ*ONE (아이즈원) - 'FIESTA' MV

luce in altis~光はどこから差すのか

今回のMVの中で印象的なシーン、いくつもあるんですが、ウォニョンの瞼に、何やら書いてあるシーンがありますよね。「luce in altis」とあって、ラテン語らしいんです。

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このフレーズ、タトゥーにしている人もいるぐらい、なんというか好きな人は好きなフレーズのようなんですが、調べてみると、全く反対の意味が出てくるんですね。

タトゥー1:Light at the top 高みから光り輝く

www.tattoofilter.com

タトゥー2:Light in the Deep 深淵からの光

www.pinterest.es

フレーズ翻訳サイト:The truth is the light in the deep 真実とは深淵の光

mymemory.translated.net

この他にも、TWICEのダヒョンペンの方がluce in altisという名前でTwitterをやっていて、その名前には「高いところから輝け」という韓国語訳が載っていました。アイジュちゃんのMVでフレーズが使われるのは複雑な心境だっただろうなーw

luceというのは、光という意味の単語、これは日本に「Luce Twinkle Wink」というアイドルグループもありますし、個人的には馴染みのある単語でした。動詞にすると、輝く、でしょうか。

でも、luce in altisというフレーズになると、その光が、高いところから来るのか、低いところから来るのかが、ちょっとわかんないんです。で、わかんないなら、調べるしかないですね。とりあえずググる感じですけども。というわけで、ラテン語の英語辞書サイトとか、ラテン語入門の日本語サイトとかめっちゃ調べました。

altisとは、高みでもあり、深淵でもある

altis=altusの与格、奪格

altus - Wiktionary

altus (feminine alta, neuter altum, comparative altior, superlative altissimus, adverb altē); first/second-declension adjective

1 high, tall
2 deep
3 profound
4 deep-rooted

altus - ウィクショナリー日本語版

altus

上に距離がある、高い。
下に距離がある、深い。

もうこの時点で、うわ、すごいところに足を突っ込んじゃったなって感じだったんですけども、altisのもとになるaltusという単語自体が、「高い」という意味と「深い」「深遠な」という意味、双方を持つようなんですね。

英語で高度を表すaltitudeって、このaltusが変化して出来たんでしょうね。高度自体、高いと決まっているわけでも低いと決まっているわけでもない。高くもあるし、低くもある。そして、このaltusの与格、奪格が、altisらしいんです。

で、luce in altisといった場合、inという前置詞がついているので、奪格のようです。まぁこのあたりは素人が完全に推測しているので、間違ってたら申し訳ないんですけども。

www.kitashirakawa.jp

(3) 対格と奪格を取る前置詞の例
in

奪格の例 (~において)

つまり、luce in altisを和訳するなら、こんな感じでしょうか。

「至高/深淵において光り輝く」

これ、めちゃめちゃIZ*ONEっぽくないですか?さらに言えば、活動休止前と、活動休止後のIZ*ONE、それぞれっぽくないですか?

人気オーディションサバイバル番組から華々しくデビューして、日本と韓国、さらに多くの国を行き来しながら活動して、いよいよフルアルバムをリリース!という、非常に恵まれた、高いところにいて輝いていたのが、活動休止前の IZ*ONEでした。これが至高からのluce in altisです。

その彼女たちが、出身番組のプロデューサーが逮捕され、番組の最終結果が、彼らによって事前に不当に操作されていたことが判明、公正な運営が行われていれば入っていないメンバーがいることが明らかになってしまった。生まれたこと自体を、否定されるような辛さです。その非難を浴びて、磨き上げた作品を封印し、人の目をはばかって生活する。まさしく闇の底、深淵にいるような3か月だったことでしょう。

ですが、彼女たちは、その深い闇の底から復活して、また輝き始めようとしているわけです。これが、深淵からのluce in altisなのです。

事前に、どちらの意味を意図して、ウォニョンの瞼に書かれた言葉なのか、自分には知る由もありません。ですが、現在のIZ*ONEの状況を見れば、この言葉が彼女たちにとても似合っていることがわかります。

鏡に書かれたluceteのダブルミーニング

luce in altisほどのダブルミーニングではありませんが、これも調べているうちに、ちょっとゾワワっと来ました。ウォニョンが鏡にルージュで描くluceteの文字、これもラテン語ですね。

lucete=luceoの命令形

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これも一応調べておくかーと思ったら、先ほどのラテン語英訳サイトで、こんな風に訳されているのを見つけまして、おいおいおい!ってなったんですよ。命令形だから動詞だとして、下の1番と3番が動詞だと思うんですが…。

luceo - Wiktionary

1 shine=輝いて!
2 (of the day) I dawn, become light
3 show through; I become visible=姿を見せて!
4  am conspicuous, apparent, evident

 輝くという、ストレートな意味だけではなくて、become visible、姿を見せる、という意味もある。姿を見せて!というのは、ずーっと、3か月間の間、WIZ*ONEがIZ*ONEに対して願っていたことじゃないですか。

こんな小さなシーンのダブルミーニングにも、意図せぬIZ*ONEの現状が映り込んでいるという…。しかし、そう考えると、前回の記事でご紹介した、「カンちゃんのシーンが、天照大御神の絵と似ている」というのも、「隠れていた女神に姿を見せてほしいと乞う」という意味に通じているのかも…。完全にオカルトですが…。

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小ネタ 彼女たちはただ美しいだけの女神ではない

これは完全に小ネタです。前回の記事で宗教画や神の姿と似ているMVのシーンを列挙したんですが、取りこぼしがありました。ウォニョンの後ろに光輪があって、手がいっぱい、というシーンがありますよね。

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手がいっぱいあるというと、仏教系で、阿修羅とか馬頭観音とかのイメージが強いんですが、男性だし、あとは千手観音はちょっと手が多すぎますねw で、自分の中に浮かんだのは、ヒンドゥー教の女神、ドゥルガーでした。

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ドゥルガー - Wikipedia

外見は優美で美しいが、実際は恐るべき戦いの女神である。

 インド神話には、手がいっぱいあってめっちゃ強い女神たちが多いんですが、優美なだけじゃなくて、恐るべき戦闘能力を持っているというのは、強く美しいアイドルたちと一脈通ずるものがあると思います。というか、そもそもアイドルって大体が神話の具象化から始まったというか、これはこれでまた長い話になるので止めますが。

そこにあるのは裁きか救済か カンディンスキーコンポジションⅦ」

まだ続きますw MVの中で印象的だった抽象的な絵画は、カンディンスキーという画家の「コンポジションⅦ」という作品のよう。奈子ちゃんのバックになってたり、大写しになってバターンと倒れたり、ものすごく目立っている。

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 なんでこの絵が使われたんだろう?って思ってたんですが、前回の記事を書いた後に調べたら、以下のような解釈がある、というのを知って、これじゃん!って思ったんです。

artscape.jp

西洋美術史学者の西田秀穂氏などは関連作品や習作などを辿っていくと、黙示録的・終末論的なテーマに関わるモチーフが見出せることを指摘している。

例えば、画面中心部に配された二本の矢(神の怒りの象徴)が貫いている的状の虹(神の契約の象徴)とラッパの記号的な組み合わせが、裁きと救済を表す。

個人的には、今回のMVは、神や神話をモチーフに、崇高な存在=本質的なアイドルとしてIZ*ONEを描こうとした作品だと思っているので、この「神」というキーワードで解釈される作品として、「コンポジションⅦ」が選ばれたのではないか、と考えています。まぁ、韓国でも同じような解釈が広まっているのかどうかは確かではないので、妄想の域を過ぎないのですが。

そして、もう一つ恐ろしいのは、「裁きと救済を表す」ですよね。これもまた、PRODUCE101問題を経た、IZ*ONEの状況と奇妙な符合を見せています。

PRODUCE101問題で、Mnet運営会社のCJ ENMは代表による謝罪会見と、今後の再発防止、そして補償としての中小規模事務所支援ファンドの設立を発表しました。社会的制裁=裁きに対するものでしょう。もちろん、これから法律に基づく裁きもアンPDをはじめとした関係者になされるのでしょうが…。  news.kstyle.com

順位操作に関連する番組を通じて、Mnetに帰ってきた利益と共に、今後発生する利益まですべて出します。
そうすれば、約300億ウォン(約28億円)規模の基金やファンドを組成できるものと予想しています。
この基金とファンドの運用は、外部の独立した機関に任せて、音楽産業のエコシステムの活性化とK-POPの継続的な成長のために使われるようにします。
具体的な基金とファンド組成・運営計画に対しては、詳細が確定し次第、改めてご報告します。

 これに先立って申し上げたように、2組のグループの今後の活動を通じて得るMnetの利益はすべて放棄します。
なお、今回の事態で被害を受けたすべての方々に対する具体的な被害補償も、速やかに実行してまいります。

www.mk.co.kr

19日、ベンチャー投資業界によると、CJ ENMは17日、ソウル某所でKCベンチャーズと253億ウォン規模のファンドを結成することに最終合意した。CJ ENMが250億ウォン、KCベンチャーズが3億ウォンを出資することにした。

ファンドが運営されると、投資不足でデビューに困難を経験する中小エンターテイメント社アイドルが恩恵すると予想される。企画会社のほか、国内の音源・レコード産業の活性化に貢献する企業や、Kポップ4次産業化に貢献するプロジェクトにも投資することが伝えられた。業界関係者は、「CJ ENMが`プロデュース`シリーズで中小企画会社核心人材を自分たちの収益事業に利用しているとの批判が多かった」とし「ファンド組成でKポップ産業全般で強固な支援軍に新たに出発して欲しい」と説明した。

 このCJ ENM代表による謝罪でも、IZ*ONEに対する社会的救済が行われるよう願う、と述べられています。裁きを経た救済、というわけです。そして、CJ ENMによって、不利益を被った練習生や事務所に補償を行うことも約束されています。これもまた、救済です。ここにも、裁きと救済があるんです。

何度も書きますが、これ、すべてを意図して作られたわけではないんです。MVのコンテ切ってる時とか、撮影してる時に、IZ*ONEがこの曲をリリースできずに3か月待たされることも、CJ ENMに対する裁きとIZ*ONEや練習生に対する救済がなされることも、全く知る由がないわけですから。

優れた芸術は、時として予言となる

上の「コンポジションⅦ」に対する解説の中で、個人的に印象深かったのは以下の部分でした。

平野氏は、(中略)《コンポジションⅦ》には黙示録的なテーマやモチーフが潜在している点を多くの研究者が解読しているが、忘れてはならないのは、この時代のカンディンスキーの主眼が、何かを描写して再現する絵画から離れ、絵画固有の世界を築き上げる可能性を模索する点にあったことだ。もちろん図像学的な解釈は制作背景を知るうえで大いに意義があると思う。しかし、この絵画の核心はそこの先にある気がする」と語った。

ただし、カンディンスキーは対象やモチーフから完全に離れた自律的な絵画の可能性を信じながらも、それを実現するのは不可能に近いことも自覚した。可能性と不可能性の間を揺れ動き、大いなる矛盾を引き受けた画家でもあった。このアンビバレンスにこそ、この画家の最大の魅力がある」。色彩と線描が絡み合う《コンポジションⅦ》の対立と矛盾のカオスは、この画家のアンビバレンスそのものともいえる。

 何かを描写し、再現するような表現ではなく、絵画そのものの表現を追求する、カンディンスキーモンドリアンによる抽象絵画は、ポロックのアクション・ペインティングを経て…という話をしていると美術史になるんでしょうが、今回のMVも、具象も抽象もカオスに取り入れながら、IZ*ONEの世界を説明的になりすぎることなく、描いている。

そして、このような優れた芸術は、時として、作者の意図を離れて、未来の状況を予言するような結果につながることがある。代表的なのはピカソの「ゲルニカ」だろうし、近いところで言ったら、大友克洋の「AKIRA」だってそうでしょう。優れた作家が全身全霊を傾けて世に出した作品は、むしろその作品に現実が動かされるところがある。むちゃくちゃデカくてオカルトな話をしてますが、IZ*ONE「Fiesta」は、そういうタイプの作品だと思っています。

だって、ラテン語を瞼に書いたり、鏡に書いたりしたら、現実がそのダブルミーニング通りの展開をしていくわけですもの。ここで英語でも、韓国語でも、日本語でもなくラテン語を使ったのも大事な点で、つまりはさまざまな読みを可能にする、多義性を大事にしているということだと思うのです。

IZ*ONE is the ONE 女神の形をした人間そのもの

最後に、「Fiesta」がどんな作品なのか、ちょっとまとめて考えておきたいと思います。MVのイメージは、宗教的、神話的モチーフを多用しながら、IZ*ONEの高貴かつ自然な魅力を描こうとしています。一方、歌詞をストレートに要約するならば「自分が自分として生きられるなら、毎日が祝祭」という、自分が自分であることを寿ぐ、非常に人間らしい内容になっています。ハレはケになり、ケはハレになる。人生のすべての季節を祝う、一人の人間としての喜びを描いています。

この、女神的な存在と、一人の人間らしい存在を行き来するのが、IZ*ONEの一つの魅力でしょう。いや、優れたアイドルやアーティストは、すべてそのような存在なんだとも思います。

Fiestaを聴きながら、IZ*ONEは、今、何のために活動しているんだろう?ということを考えたんです。IZ*ONEの活動期間は、延長がなければあと1年と2カ月弱でしょうか。その期間を、彼女たちは何のために活動するんだ?ということです。

一般的には、アイドルだって経済活動です。所属事務所や、レーベルの利益になるために、作品を作るし、パフォーマンスするんだと思います。その利益が、会社を大きくして、さらに新しい新人を発掘したり、よりよい作品を生み出すための投資にしたり、役員の給料が上がったり、アイドルの給料もあがったり…そういう、経済的な活動ですよね。

でも、IZ*ONEの活動から得られた利益は、会社の利益にすることが出来ません。もちろん経費は計上するでしょうが、経済活動の基本中の基本である、活動を通して利益を得る、という行為が出来ないんです。先ほどもリンクを貼ったCJ ENM代表の言葉通り、そう宣言しちゃってるんですから。

順位操作に関連する番組を通じて、Mnetに帰ってきた利益と共に、今後発生する利益まですべて出します

会社の利益にならないことをあと1年と少し続けて、IZ*ONEは終わる予定です。これ、いわば、死ぬために生きている、ようなものです。さらに言えば、死ぬために死の淵から復活したんですよ。

活動が、会社の利益にならないとするなら、なんのために活動するんでしょう?一つには、愛してくれるファンのためでしょう。IZ*ONEを愛する人々に、その愛に応えるために、限られた命を燃やすのが、彼女たちの一つの目的でしょう。

もう一つには、彼女たちが、自分自身を表現するため、アイドルとしての自分自身でいるために活動する、ということも出来るでしょう。先日復活した「今夜桜の木の下で」で、宮脇さんが「これまで、3か月もステージに立てない、ということがなかった。ステージに立つ意味をとても考えた」というようなことをおっしゃってましたが、まさにコレなんですよ。彼女たちが、自分たちがアイドルでいるために、アイドルという形で自分の人生を生きるために、続けるんです。

そしてもう一つ、彼女たちが素晴らしい作品を残し、素晴らしいパフォーマンスをすることは、間違いなく次の世代のアイドル候補生たちに引き継がれます。先述のCJ ENMを中心にしたファンド、という直接的な形はもちろん、彼女たちに憧れてアイドルになろうとする後輩たちにとって、彼女たちの姿は遺産となり、大きな指針になり、財産になるはずです。

 愛してくれる人のために、自分が自分自身として生きるために、そして後に続く人々のために、死に向かって生きる。もうこれ、人間という存在そのものじゃないですか。その姿は美しく、高み/深淵から光を放ち、毎日を祝祭にし、祝祭を日常に還元する。神の姿をした人間そのもの、なんです。

IZ*ONEという名前、IZ=12という読み替えが由来ですが、IZをisと読み替えてみると、is ONE、となります。クトゥルフ神話などお好きな方はピンとくると思います。英語でONEという単語を、神性をもった存在に使うことがあるんです。

ザ・ワン (曖昧さ回避) - Wikipedia

ザ・ワン(The One、 the One)

絶対者、神。万物の本源、一者[1]。単子(モナド)。
恒常性、定常性、永遠性。ホメオスタシス(英語: Homeostasis)。
合一・統一。ヘノーシス(英語: Henosis)。

 さらに言えば、IZ*ONEのファン呼称、WIZ*ONEだって、with ONEと読み換えれば、ONEと共にあるもの、ということになります。どんどんすごい方向に突き進んでいますが、これもまた、一つの解釈なのです。

そしてこれからも、私たちは波乱の生を続けるのでしょう

今回の記事に使うためにいろいろとキャプチャして、でもこれは理解しきれていないなーというシーンがいくつかあるんですが、たとえば、メインになるダンスホール的な、神殿的な場所に浮かんでいる球体は11個なんですよね。奥の円や、ミンジュとカンちゃんがやり取りする黄色いボールを合わせて12個になる。

その意味を探っていたら、我らがリーダー、ウンビちゃんが調子悪くしてお休みしたので「この予言か!」となったんですが、翌日にチェヨンも休んだのでこの線はなくなりましたw ともかく、でも、こういうことがいろいろこれからも出てきそうな気がします。

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や、ホント、あと一年ちょっとなんですよ。でも、このまま、そのまんまで終われますかね?まだなんか、いろんなことがありそうな気がします。それが、良いことか悪いことかわかんないし、両方あり得ますよね。

でもね、ホントIZ*ONEというグループに関しては、その感じが、本当に人間の人生って感じで、そこがめちゃくちゃ惚れこんでる部分なんですよね。この、没入感が、自分はとても好きなんです。

とか言ってたらENOZI CAMの新作上がってた!わーい今から見よう!や、ともかくね、このグループ、めちゃめちゃ追いかけがいがありますよ!!


IZ*ONE 에너지 캠(ENOZI Cam) EP.45

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