日プ最終回直前!日プのココが好きだった&ココが残念だった

やー、日プ記事、ずっと書こう書こうと思ってるうちに、最終回当日の朝になってしまいましたよ。でもこれ最終回を見てから書くとまた違うことを書きたくなると思うので今朝やります!4時に起きた!

ちなみに前回の記事はこちら。一言で言えば、日プを動かす巨大な力に(いろんな意味で)震えるって話です。

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振り返って考える。日プの何がよかったか?

これまでちゃんとシーズン通して見たのがPD48だけなので、あまりエラそうなことを言えないんですが、それでもまとめておきます。

本家PRODUCE101シリーズのフォーマットを出来る限り踏襲した

まずここが良かったなーと思うんですよ。本家シリーズのフォーマットを、ともかく忠実に踏襲していった。席決め、クラス分け審査、テーマ曲パフォーマンス、グループ決め…。ポジション評価とグループ評価が逆になるというアレンジはありましたが、基本的に本家シリーズと流れは一緒だった。

ここで、本家シリーズを見てきたK-POPファンを掴んできた。次に何が来るか分かっていて、これまでのシーズンとの比較や考察が出来る。CJ ENMとの共同制作だったということもあって、これまでのシーズンに対するリスペクトを感じました。

練習生に対する愛情が、予期せぬドラマを生んだ 1 死票問題

これ、うまく文章で表現できない感もあるんですが、なんというか、作り手の側が練習生たちを可愛がっているというか、愛情を持って接しているなあって感じがしてました。未公開画像でリアクション入れてるカメラマンさんとか、練習生との距離が近いんですよね。そして、そこが自分としては、印象がよかったと感じました。

なんていうか、画面の端々から、「お前らがんばってやってるなぁ」「まったくしょうがねえな~」「辛くても負けるなよ!」という言葉が聴こえてくるような感じがあったんですよ。

そしてその愛情が、いくつかの予期せぬドラマを生んだんじゃないか?と思っています。11pick時のいわゆる「死票」「捨て票」行動で、90位近辺の練習生が大幅にランクアップして、カットラインである60位前後の練習生が脱落する、という展開がありました。これはSNS等でも大きな問題になっていました。

しかしここから、「死票」「捨て票」行動で急上昇して生き延びた練習生たちが、しっかりクローズアップされるようになっていきます。死票でなくてもあがったかもしれないですが、ともかく急上昇して最終回まで生き延びた床波くん、川尻くん(もうほとんど運営側だと思う)にフックアップされた浦野秀太くんや、そして第一回順位発表以降、その温かな人間性が注目されるようになった安慶田くんなどなど。

練習生全員に対する愛情とまなざしがあったからこそ、これまで注目されていなかった練習生にも、すぐにフォーカスが当てられた。もちろん、脱落した練習生やそのファンの皆さんにとっては本当に辛かったと思いますが、結果的には、より多くの練習生にスポットライトが当たる展開になったと思うんです。これがさらに面白い展開になると考えていることについては、最後にまた書きます。

練習生に対する愛情が、予期せぬドラマを生んだ 2 HALO離脱問題

で、もう一つ、結果的に3人全員が辞退してしまったのが元HALOメンバー。3人がパフォーマンスのクオリティ的にも注目度的にも番組を引っ張ってきた存在であることは間違いないと思います。その3人がいなくなるというのは、制作側としても本当に痛手だったと思うんです。順位発表日にヨンフンくんとユンドンくんの離脱が発表された時には、個人的には「これはもう日プかなり厳しいのでは…」という印象すら持ちました。

ですが、その後の差配が良かったと思います。21位佐藤來良くんと22位宮島優心くんを繰り上げて、その2人が18人に合流するところを映像に残した。「12日でデビューステージを踏んでもらいます」という発言から考えると、最終グループ分けの収録が11月30日あたり、その3日後にHALO組2人が辞退を申し出たということで、大体12月2日か3日、そこから佐藤・宮島を呼び寄せて18人に合流させて映像を撮って編集して、5日に元HALO2人の離脱を発表、夜9時に配信と考えると、もう、このスピード感めちゃくちゃですよ。

多分、デビュー評価練習の様子は素材もたくさん撮って、構成や、それこそ編集すらある程度終わっていたかもしれない。それを打ち捨てて2人の合流を配信した。そこで、來良くんが脱落した時にめちゃ泣いてた港人くんと河野くんのシーンをはさんで笑わせたり、宮島くんにめちゃめちゃ飛びつく金城くんの名シーンが生まれたりした。ただスケジュール的なこと、制作的なことだけ考えたら、この動きはなかったんじゃないかと思います。個人的には、この展開にも制作側・運営側の練習生に対する愛情を感じました。

日本のバラエティー番組感覚をPRODUCE101シリーズに融合させた

そして、バラエティー番組的編集のこなれ感や、視聴者から意見を吸い上げて実現するスピードについては、非常に優れたものがあるとも感じています。音楽メインのケーブルテレビ局が制作していた本家PDシリーズと比較すると、日プはスタッフが放送作家や脚本家が多いという点が特徴的なのかもしれません。そもそも、中心になってるIVSテレビが、本当に日本のバラエティの王道を行く制作会社なんですよね。

ja.wikipedia.org

1972年、当時読売テレビのプロデューサー・ディレクターだった斉藤寿孝(現・取締役名誉会長)が独立し、11月30日大阪市に「IVSテレビ制作」を設立。

1975年に東京支社(現・東京本社)を設立後は同年にスタートした「びっくり日本新記録」(読売テレビ)をはじめとして数々の人気テレビ番組を制作している。過去の歴史的な経緯から、日本テレビ系、及び在阪各放送局が制作した番組を中心に数多く携わっている。

1973年、後にIVSを支えるディレクターとなる「テリー伊藤」こと伊藤輝夫が入社。わずか2年余りでディレクターに昇格し、その後「ねるとん紅鯨団」「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」などのヒット作を手掛ける。

本家PRODUCE101シリーズでは徒競走だけで済まされていたグループの楽曲決めが、運動会チックな障害物リレーになってて、あそこめちゃめちゃ良かったですよね。知恵の輪を解く練習生たちの様子は、これまでに見たことのないものだったり(焦りまくるタキツバとか)。風船割で何度も流されるツカメ・ピアノヴァージョン。これまで泣きのシーンにしか使われなかったピアノverを、こんな天丼で笑いに昇華したの前代未聞でしょ?


PRODUCE 101 JAPAN|一番最初に風船を割るのは誰?|#6

そして、12月7日にアップされたオーディション最終面接に対する現在の練習生たちのリアクションと、20人でのたこパトーク。これ25分とかあって、ほぼ一つの番組ですよ。それが撮って出しというレベルじゃなくて、(一応まだ)素人である彼らがちゃんと面白いことを話している感じで編集してある。いや、どんだけの労力をぶっこんでるんですか?本配信じゃないんですよこれ。


PRODUCE 101 JAPAN|オーディションの最終面接からたこ焼きパーティー、20人だけのボーイズトークまで!|#11 番外編

日プは日本におけるエンターテイメントの壮大な実験ではないか

日プ運営・制作の特筆すべき点として、SNSYOUTUBEなどでのコメントに対して、かなり意識的に意見を取り入れているというところもありますよね。個人推しカメラのも、グループバトル以降は本配信より前に全員分をアップしてる。これは本家でもやっていない試みですよね。締め切りが一週間前倒しになるわけだから、どう考えても大変なのに、それでもネットの声に応えている。

字幕に発言者の名前を入れるようになったのだって、面倒と言えばとんでもなく面倒ですよ。顔が見えていない発言者についても、声などから判断しなければならない。とんでもないスピードで映像素材を料理(編集)しつつ提供している現場からすると、新しい仕事が増えるたびに本当に大変な思いをしているのではないか、と思いますが、それを提供してくれている。本当にすごい。

日プを見ていると、あらゆるエンターテイメントが、インターネットと不可分になった時代に、TV番組にどんなことが出来るかを、ずっと真摯に模索し続けている感がある。運営・制作側にとって、これは本当に大きなチャレンジだったのではないでしょうか。

そしてこのチャレンジは、GYAO!でのネット配信という形式じゃなかったら無理だったのかも?とも思います。いや、毎回ホントに地獄のような制作だと思うんですよ。何十時間とある映像素材を、練習生の誰にどれだけ時間を割くか調整しつつ、新しい要望に応えつつ、思わぬアクシデントに対応しつつ…。韓国は、番組の長さが可変的ですが、日本は大体決まっています。毎回決まった時間にまとめるのは、シンプルに無理ですよね。

最終回は、言葉通りの国民投票に?

そして、最終回の投票方式ですが、dボタンを使った投票になる可能性が結構あるのでは?と思っています。それが一番投票するハードル低いですもんね。自分の知っているだけでも、紅白歌合戦なり、めちゃイケの三ちゃん再オーディションなりで、天才てれびくんなり、TVではこれまでに何度か採用されてきた方法でもあります。だからこそ最終回は、地上波での放送になるのではないでしょうか。

そして、これは完全に事前決定ではないガチ勝負になる可能性が高いわけです。いや、ホントどうすんのって感じですよね。本家の大騒動というか大疑獄を経て、ともかく日プ運営は公明正大であることが生命線になっているわけです。何万、何十万、下手したら百万単位という目の物凄いチェックのもとで、投票数を発表しなければならない。そして、どのような結果が出ても、その結果に応じた放送が出来るように綿密な準備をしていなければならない。これは、ある意味で日本のテレビ史に残る番組になるんじゃないか?そんな気すらします。

大好きだからこそ言いたい、日プのここが残念だった!

これまで、ざーっと日プの良かった点を書いていきました。でも、個人的には、日プの残念な点もあるんです。一言で言えば、音楽的要素を軽視してないか?ってことなんですよね。

せっかく最高な人選をしたラップ講師なのに、分量がない。

いや、だって、ラップ講師の人選を見た時に、めちゃめちゃ興奮したんですよ。BOSEサイプレス上野って。アラフォーの自分にとっては、スチャダラパーBOSEと言ったら「日本一フロウが上手い」とまで言われた人であり、ゼルダの伝説のCMやポンキッキーズのMCなどで、いち早く“お茶の間”に進出していったパイオニアでもあるんです。

そしてサ上は自分とほぼ同世代(3つ自分が上)、日本語ラップの大マニアでありながら、tofubeatsくんが10代だった頃にリミックスをいち早くオフィシャルとしてフックアップしたり、フリースタイルダンジョンの初代モンスターを務めたり、さまざまなアイドルとの仕事もこなすなど、世代間の架け橋でありながら、外のシーンとの懸け橋であるわけで、もうともかく、めちゃくちゃいい人選だなーと思ったわけです。

ところがですよ!二人がレッスンしている所の分量が全然ない。これまでの配信の中で、サ上が指導している姿が一回使われただけですよね。そのシーン配信直前に、サ上本人がtwitterで思わず以下のような発言をしています。

ラップという文化というかアートフォームに対して、あんまり運営・制作側に理解や思い入れがないんじゃないかな、と思ったりします。日本において色物視されてきたり、流行に乗ったフリースタイル偏重という問題があって、そこから抜け出せていない、というか。今回の講師二人が初心者にラップ指導している映像がもっと使われていたら、日本語ラップ市場に残る財産になると思うんだけどな~。

せっかく最高な人選をした韓国側の制作陣にスポットを当てない

今回のコンセプト評価のための楽曲、すごくよかったですよね。IZ*ONEのViolettaを制作したチーム、個人的にも大好きな曲をたくさん作っているFull8loomに、宇宙少女の活動曲も制作した"いぽいぽ”コンビなんかは、今旬のチームと言っても過言ではない。コンセプト曲投票の時にクレジットが発表された時なんて、ホント興奮しました。

でも、こんな素晴らしいチームを起用しておいて、楽曲発表や、レコーディング風景などで、全く制作陣について触れないんですよ。だって、アイドルこそ音楽性が大事で、流行をキャッチアップしつつ音楽史的な文脈をしっかり取り入れた楽曲が世界的評価を受けているというのは、それこそK-POPシーンが見せてきたことじゃないですか。CD屋のPOPみたいな曖昧なフレーズ出すだけじゃなくて、ちゃんと取り上げましょうよ。

さらには、デビュー評価曲である「YOUNG」なんて、PRODUCEシリーズでおなじみのチェ・ヨンジュン先生が参加しているんですよ。絶対そこに反応する練習生はいるし、触れない手はないでしょう?と思うんですが、そこにも全く触れない。そういう、アーティスティックな側面の情報には触れない、というのが、この番組の基本スタンスなんですかね。

正直、ラップ講師と楽曲制作陣に対する扱いからは合わせて、音楽的要素に対する軽視を感じるんですよね。本家を制作したMnetが音楽中心のケーブル局だったのに対して、日プはバラエティ番組制作陣の手による番組だった、という違いもあるのかな、と思います。

最後にこれだけは語りたい。日プの持つ大きな意義

もうこの時点で相当予定時間を過ぎてしまってて、早く朝飯食って仕事行かなきゃ!ってなってるんですが、最後に一つだけ。

日プのデビューグループが、意図したとおりに「グローバルボーイズグループ」的な存在になれるかどうか、これは本当に未知数だと思います。前の記事でも書いたとおり、本国でのPRODUCE101シリーズ問題を考えれば、当面は韓国で活動することが厳しく、そこから派生した国際的展開が予定通りにいかないことを思うと、なかなか苦戦するかもしれません。

でも、でもですよ、100人近くの魅力的な男の子たちを、日プがこの世界に解き放ったことは間違いないわけです。死票問題もあって、第一回順位発表式までに結構ファンを掴んでいた練習生も脱落してしまったわけですが、これは逆に言えば、そんなファンをたくさん持っているフリーの男性アイドルを生み出した、ということになるんです。彼らのキャリアは、むしろここから始まったばかりです。

そして先述の通り、番組の中でこれまで注目されてこなかった練習生にもスポットが当たりました。彼らもファンを掴みました。順当に残った上位陣は、数多くのファンを掴んでいますし、今回の11人に選ばれなかった9人も、負けず劣らずのファンを掴んでいます。

日本の男子アイドルと言えば、王道ジャニーズか、ここ10年ぐらいでLDH、スタダあたり。超大手事務所に所属しなければ男子アイドルとして人気を得ることは難しかったと思います。でも、この数年で、いわゆる地下メンドルがシーンとして出来てきた。さらに日プを経て、日プグループ所属メンバー以外にも90人近いフリーの人気アイドルが誕生した。こんな状況は、ちょっとこれまでになかったような気がします。一番近いのは、バンドブームからのイカ天ブームでいろいろなインディーズバンドが世に出てきたときの、あのザワザワした感じでしょうか。女子アイドルにおけるアイドル戦国時代のような時期が、男子アイドルに訪れる可能性もあると思います。

ともかく、日プは練習生の熱意と夢で、そのファンの熱狂で、運営・制作のスキルと愛情で、そしてそのバックにある資金力と政治力で、思いっきり時代の扉をあけようとしています。そういえば、日プ運営会社の資本金が50万円から7億5000万円に増資されてるみたいです。1500倍ですよ。これはもう何か起きる前触れというか、大人たちが何か起こそうとして大きくベットしてるんですよ。

www.yoshimoto.co.jp

株式会社LAPONEエンタテインメント
所在地
〒160-0022 東京都新宿区新宿5丁目18番21号
       旧新宿区四谷第五小学校

設立
令和元年5月29日

代表者
代表取締役社長 崔 信化

資本金
750,000,000円

事業内容
放送プログラム、テレビ・ラジオ番組、配信番組コンテンツ、コマーシャルフィルム、コマーシャルソング等の各種映像物・録音物の企画、制作、配給、販売、請負ならびに版権事業

泣いても笑っても、最終回まであと11時間。でも、そこから始まる新しい展開に、これからワクワクしたり、がっかりしたり、ともかくまた楽しめたらと思っております。It's Show Time!


【初公開】 PRODUCE 101 JAPAN 『ツカメ~It's Coming~』 パフォーマンス映像

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