シンエヴァンゲリオンを見て、IZ*ONEの落とし前について考えていた

や、急きょシンエヴァンゲリオン見ることになったんです。もちろん劇場版の最新作というか最終作。

これは、ネタバレにならない感想だと思うのですが、シンエヴァは、本当に、ほんっとうに、「エヴァンゲリオン」という作品でこれまでにかけてきた呪いを、一つ一つ丁寧に、誠意を込めて解呪していく、というような内容でした。

もう、その誠実さに、感動したというか感心したというか、ともかく心を動かされた。

そして、この解呪に何年かかったんだ?っていうのも思ったんです。TVアニメ版から25年、新劇場版はじまって18年、前作Qから9年とかなんですよ。

庵野監督が、人生をかけた仕事だった。人生をかけたからこそ、これだけ明確に描けた、とも言えるでしょう。

2時間半という長丁場だったけど、いろいろ考えながら見てました。そして、最後の方は、もう完全にIZ*ONEのことと重ね合わせながら見ていたんです。

そもそも、ONE, THE STORYの最後のファンウォールみた瞬間、TV版エヴァの最後の「おめでとう」っぽいな、って思ってたのもあります。

本当に、本当に何度も書きますが、あのファンウォール、自分としては違和感の塊なんです。

ライブ日程と活動終了発表のタイミングという、状況証拠から、自分はあのファン動画は、IZ*ONEが活動終了すると聞かされる前に撮影されたものではないか、と推測しました。

ただ、「撮影するファンにだけ、事前に活動終了決定を知らせて、ラストコンサートの最後にファンからの歌を送る企画をするので、とファン動画を撮ってもらった」という可能性もあり得ると言えばあり得ます。

でも、自分としては、その可能性も低いと思います。なぜなら、あのファン動画の皆さん、みんな、泣いてなかったじゃないですか。

ニコニコするか、一生懸命歌うか、という感じ。「自分が愛するグループが活動終了する前の最後のコンサート」に臨む表情ではなかったと思います。

寂しかったり、悲しかったり、それでも送り出そうと無理に笑って見せたり…。そういう、複雑な心境で歌ってたようには、自分には見えなかった。

その表情は、ラストコンサートを見ているファンの表情とは、大きくズレていたと思います。

ONE, THE STORY、2日目の最後、配信を見ていたファンは、ものすごく複雑な心境だったと思うんです。

楽しみにしていたオンラインコンサートの3日前に活動終了が突然発表され、そしてコンサート初日最後に、どうやらこれが最後のコンサートになることを、メンバーが涙ながらに語ることから推測することしかできない。

2日目のコンサート最後のコメントは、メンバー全員が泣きじゃくり、チェウォンなんか呼吸がつらそうで、それを宮脇さんがサポートする、とか、そういう、もう、ものすごく切なく、悲しく、寂しく、それでもみんな前を向こうね、感謝しようね、という、そういう、非常に複雑な気持ちだった。

そして、それに寄り添おうとして、見ていたファンも、思わず涙してしまったり、いたたまれなくて画面が見られなかったり、いろいろな気持ちで、そこにいたと思うんです。

そこに出てきたのが、多分このタイミングで流れることを知らされていない状態で撮影された、ファンの動画だった。

このタイミングで、そんな表情でずらっと並ばれても、見ている側は、全く気持ちがついていかないし、違和感しかない。

これ、TV版のエヴァ最終回の「おめでとう」と同じじゃないですか。

これまでしっかり描いて、作り上げてきたものに対して、いろいろな事情があったにせよ、その決着を、しっかり描かず「この話はこういうことでした、おしまい!」とやったわけです。

TV版エヴァは「悩み多き少年がいろんな人に認められて親離れ出来て大人になりましたね!おめでとう!」という内容を、投げっぱなしで描いて無理やり終わらせた。

庵野監督は、あの終わり方をした責任を、25年かけて、人生かけて、落とし前をつけました。大きな大きな呪いを、人生かけて解いたと思うんです。

IZ*ONEは「アイドルを夢見る少女たちがたくさんのファンに愛されて危機を乗り越えて立派なアイドルに成長しましたね!ファンも祝福してますよ!」というストーリーを、最後の最後で信義にもとるような描き方で無理やり締めた。

IZ*ONEの終わり方について、ファンは、少なくとも自分は、そして、もしかするとメンバーたちでさえ、巨大な呪いをかけられているようなものなんじゃないかって思うんです。

あまりにもなし崩しすぎる。作り手たる運営者たちが、責任を持ってするべき説明を、矢面に立つメンバーにさせてしまっている。

また、活動休止期間に背負わせたような重荷を、メンバーに背負わせようとしていませんか?

十分な形でなく別れなければいけないという呪いを、メンバーとファンにかけていませんか?

この呪いはきついですよ。心に深く残るし、どうにか解こうとする、もがく。そのために、たくさん考えて、語って、そして行動することもあると思う。

実際に、オンラインコンサート2日目を見終わって、自分の中にわだかまりがあるからこそ、こうやってそのわだかまりと不安を言葉にしている。

しっかりと終わりを描いてくれたら、こんなに不安やわだかまりを書くことなく、もっとポジティブに12人を送り出せたと思う。

でも、現状、今のまま、声を上げずに、ただただ終わるのは、自分は違うと思っているんですよ。

そして、そのような動きは、いろんなところで起きてるように見えます。活動休止期間に起きていたような、ハッシュタグイベントもその一つです。

大きな呪いをかけてしまうと、そこには大きなコストが必要になり、さらに大きな結果を招くんです。

や、だって、エヴァだって、TVシリーズがあの終わり方じゃなかったら、こんなに何十年も語られ続けるコンテンツにならなかった可能性もあるじゃないですか。

なし崩し、仕方なく、ブン投げて終わらせたからこそ、それを語りなおす動きがそこかしこで起きた。

ともかく、自分自身も、間違いなく、4月いっぱいまでは、まだまだ、まだまだIZ*ONEについて、そして、そこにまつわるいろいろな問題について、自分の視点で語り続けようと思います。

落とし前、しっかりつけましょうよ。そういうことです。

 

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