RYUTist「黄昏のダイアリー」はどこにもない理想郷を目指す

唐突っちゃあ唐突なんですが、これは今書くべきだな、と思ったので、個人ブログで申し訳ないんですが、書かせていただきます。

新潟のアイドルグループ、RYUTistがニューシングル「黄昏のダイアリー」をリリースしまして、ありがたいことにサンプル盤をいただきました。

一聴して、これは、発売日である20日には文章化しないと!と思いまして、打ち合わせとか全くいらない個人ブログに書かせていただきます。

RYUTistらしい疾走感とドラマに溢れた『黄昏のダイアリー』

アイドルごとに「らしさ」ってあると思うんですけど、RYUTistらしさって、個人的には「ひらっと翻る衣装」です。ドラマティックな楽曲に合わせて、キレッキレのダンスパフォーマンスがあって、衣装が翻る、あの感じ。5人時代のDorothy Little Happyと近い感じ。

この曲も、そういう意味で、ライブで見てみたいと思わせてくれます。絶対にこの曲をライブでやっていたら心躍る。いつのまにか涙腺が熱くなってると思う。MCでわわーっとゆるキャラを紹介したと思ったら、こんな熱い曲を、衣装を翻して懸命にパフォーマンスしてくれる。RYUTistはそういうグループで、『黄昏のダイアリー』はすごくRYUTistらしい曲だと思います。


RYUTist - 黄昏のダイアリー【Official VIDEO】

芳醇な音楽が瑞々しい歌声と共に届く『心配性』

新進気鋭の音楽家、ayU tokiOとして活動する猪爪東風による2曲目『心配性』は、アコースティックで芳醇な演奏に乗せて、4人の若くて揺れている歌声が胸に届いてくる楽曲。

シングル曲『黄昏のダイアリー』に対する楽曲でありながら、これ、いちリスナーとしてはNegiccoのアルバム「MY COLOR」に対する返答のようにも感じました。

目指している世界が同じというか、新潟の金色の稲穂が揺れる風景が頭に浮かぶ感覚、一緒なんですよ。

少しずつメンバーチェンジを経験しながら、それでもコアなものは変わらずに持っているRYUTistの生命力が表現されているように感じました。


RYUTist - 心配性【Official VIDEO】

「楽曲派ブーム」を思い出させる『a birthday song』

日本のアイドルシーンで、2011年頃からでしょうか?楽曲派というワードが非常に大きく取り上げられました。うちのブログでやってるAIEAでtomato n'pine(トマパイ)が日韓アイドルすべての中でトップ投票を得たのが2012年なので、その辺ですね。

この「楽曲派」ムーブメントって、なんというか、ディスコっぽい楽曲をやってたらOK!みたいな雰囲気、ありませんでした?個人的な感想かなぁ。でも、トマパイはディスコ楽曲で大きな印象を残したのは間違いないと思います。

話が飛びましたが、この『a birthday song』もめっちゃディスコです。ディスコミュージックが懐かしくも新鮮、という楽曲派ブームが、さらに懐かしいというメタな思いが駆け巡りました。

『黄昏のダイアリー』に感じた日本のアイドルシーンの凄さと弱点

そんなに大上段に構えたことは語れないんですが、『黄昏のダイアリー』に収録された3曲を聴いてて、これがアイドルシーンで鳴ってるっていうのは、やっぱり日本のアイドルシーンは層が厚いなあって思ったんですよ。

「ただカワイイ」「ただ盛り上がる」という機能的な側面だけじゃない、芸術としての強度を持っている音楽です。結成7年、地方都市を中心に活動する彼女たちが、この音楽をやっているのは、世界的な観点で言ったらすごいことなんじゃないかなぁ。もちろん、偉大な先輩の背中があってこそだけど。

でも同時に、こんなに豊かな音楽をやっていても、それがめちゃくちゃマスな人の耳に届くかっていうと、なかなかそうはいかない。パフォーマンスと楽曲の良さが、マス向けのビジネスとして直結するわけではない。「楽曲派」という言葉だって、シーン内の一過性のバズワードとして消費されてしまう。

そこは、現在の日本のアイドルシーンが直面した弱点であり、閉塞感なのかもしれないって思います。じゃあどこなら究極に理想的かって聴かれたら、韓国でもタイでも中国でもない、どこにも理想郷なんてないんですけどねきっと。

そっか、RYUTistって、どこにもない理想郷を目指すような、青年期っぽさにあふれているんだなあ、と、あのステキなスタッフさんたちの顔を思い出しながら、考えたのでした。

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