「EYES ON ME:THE MOVIE」、本当の意味、本当の奇跡

公開初日に松戸のスクリーンXで見てきました、IZ*ONEの「EYES ON ME:THE MOVIE」。予告編貼っておきます。これ見ただけでも、もうグッと来てしまう。


「EYES ON ME : THE MOVIE」日本語字幕版予告編

上映中、何度も涙腺がグワーッと刺激されて、そのうちに、なんでこんな泣けてるんだかわかんなくなって、でもなんだか泣けて…みたいな感じになっていくのですが、一番自分でもよくわかんなかったのが、オープニングの「Sunflower」がかかっただけで、ブワーっとなったところでした。

でもよくよく考えたら、ライブ自体のオープニングもあの曲だったんだよね。なんかすごくいろんなことを思い出したんだろうな。

見ながら、いろんなことが頭を去来したんですよ。それをともかくここに書いておきます。

IZ*ONEを交差する、数々の世界線

まず、PRODUCE48楽曲を使ってくれる嬉しさは強く感じました。いや、だって、もうPRODUCE101シリーズ自体が、順位操作問題で存在意義を問われる事態じゃないですか。

その問題でアンPDが逮捕されるというタイミングで、いったん公開中止になったのが、この「EYES ON ME:THE MOVIE」です。

ヘタすると、PRODUCE48の楽曲は全カットだったりするのかな…とか心配していたんですが、やってくれました。もう、まずここで、なんか泣けてしまいましたw

個人的には「I AM」厨なんで、これ聴いただけで、コンセプト評価の頃のなんというか殺伐とした雰囲気とか、脱落メンバーの無念とか、いろいろ考えてしまうわけです。

いつも考えることですが、現在の12人じゃないグループだって、どこかの世界線であったかもしれない。

いろんな世界線が頭をよぎるんです。アンPDたちがPDXで雑な操作をせず、問題が明るみにならず、IZ*ONEが2019年11月にFIESTAで活動出来ている世界線

新型コロナウイルスが蔓延せず、今でも、世界中を移動することが出来て、世界中で大規模ライブをすることが出来ている世界線

その世界線では、IZ*ONEは、当初の宣言通り「グローバルガールズグループ」として、世界中を飛び回っているのかな…。

とか妄想を巡らせていると、「好きと言わせたい」のパフォーマンスが。大箱だと、キックが映えて悪くない。韓国語でコールも入ってる。


[최초공개] 아이즈원(IZ*ONE) - 好きと言わせたい (좋아한다고 말하게 하고 싶어)|IZ*ONE COMEBACK SHOW

なんか、韓国語楽曲のIZ*ONEばかり考えていたけど、そうだそうだ、日本語楽曲も彼女たちの一つの側面なんだ…。

もし、「FIESTA」がそのままリリースされていたら、次のリリースは、日本語楽曲だった可能性が高いでしょう。

そうしたら、また彼女たちは、連日の握手会とハイタッチ会で疲弊していたのかな…と思ったり。身体を壊すメンバーがいてもおかしくない…仮定の上での彼女たちを心配したり。

でも、日本のバラエティ番組で、また彼女たちの姿が見られたんだろうな、と思ったり、もう、いろいろな世界線が、脳内を交差していくわけです。

でも、IZ*ONEは、彼女たち12人であり、PD101問題の危機をこえて、また活動してくれている。「FIESTA」の後は、「SSS」でガールズグループ歴代売り上げ記録を更新した。

自分は、IZ*ONEは、そういう世界線に生きている。なんだか、この1年間の激動を、頭の中で反芻するような時間になっていました。

「グループアイドルの巨大ライブ」がロストテクノロジーになるかもしれない

コロナ禍真っ只中の2020年8月の時点において、12人のグループアイドルが交差しながらライブをし、そのライブを万単位の人が大声を出しながら観覧する、というのは、完全に無理な情勢です。

この映像、たった1年2か月前のものなんですよ。今となっては、「こんなことを出来る時代もあったな」という感慨に浸ってしまう。

大会場を一面に埋めるペンライトの光。そして沸き立つような大歓声。この景色を見るために、見せるために、IZ*ONE本人たちも、スタッフも、ファンも、一生懸命やってきた。

もしかすると、少しすると、また復活する光景なのかもしれませんが、それが、2021年4月というタイムリミットまでに出来る可能性は、あまり高くない。

かなり感染が抑えられている韓国だったら、声を出さないで、という条件付きだったら、もしかすると、出来るかもしれませんが…。日本では厳しいのでは、という気がしてしまう。

メイキングの、本当にたくさんのスタッフさんが関わっている様子も、今見ると、うわーこれを今やったらソーシャルディスタンス取れてないって思うよな…とか考えてしまうんですよね。

そんな状況で、この、今では失われてしまった、グループアイドルの巨大ライブというものを見ていると、ともかく、これが映像として残っていてよかった、本当に良かった、と思うんですよ。

考えたくもない最悪の事態ですが、大人数のグループの大規模ライブをするノウハウが、失われるぐらいに、長い期間開催出来ない可能性すらあると思うんです。

この映像は、2010年代末期の、巨大ライブという一つの文化の、重要な記録になっているな、ということも、考えていました。

どんなに近くても、どんなに没入しても、でも君はそこにいない

大規模なライブの良さは、いろいろありますが、自分が、全体のほんの一部でありながら、それでいて個人である、という、独特の感覚が味わえるっていうところも、あると思うんです。

大きな光の中で、大きな声の中で、その大きな大きな波にのまれながら、その波の一部になりながら、ステージと、どこか一対一で向かい合っているような感覚。

映画館だと、ずっと一対一なんですよ。メインスクリーンでアップになっているメンバー以外にも、左右のスクリーンに、他のメンバーも映ってる。

きょろきょろしながら、あ、こっちはウンビちゃんが映ってる!とか、まぁともかくせわしないけど、もうずっと追えるような感じ。

これは、スクリーンXで制作してくれた大きなメリットだと思います。ライブ感、しかも最前付近で見てるような感覚があります。

でも、本人たちは自分の前にいない。どこまで行っても、彼女たちはスクリーンに映った平面でしかない。

なんか、それが寂しく感じたのかもしれない。

3方向スクリーンで没入感があるだけに、そのことを、強く感じさせられた、というところは、あると思います。

遠く遠くに、豆粒みたいに見える彼女たちでもいいから、自分の声が、大きな波の一滴であってもいいから、届けたい。

なんか、そんな切なさは、上映中、ずっと感じておりました。

なんつうか、遠くからでもいいから、IZ*ONEに会いたいんですよね…。声を届けたいんですよね。

その切なさが、改めて胸に迫るような感覚もありました。

何度でも書く。IZ*ONEは、一つの奇跡です

最終的には、いつも同じ結論に達してしまうんです。何を見ても、何を聴いても。

IZ*ONEは、奇跡のグループだと思う。彼女たちが、結成して、存在しているだけで、本当に奇跡だと思う。

韓国のPRODUCE101シリーズに、日本の48グループが参加する。これ、やっぱり、あり得ない企画ですよ。普通に考えたらリスクが高すぎる。

この企画が通って、番組を制作して、放送して、デビューグループが活動出来た。本当にタイミングがちょっとでも違ったら、実現しなかったと思います。

今、この瞬間に、IZ*ONEがまだ活動していること自体が、きっと、奇跡のような瞬間なんです。

そして、それは、本当に人生みたいだなって思うんですよ。

映画の途中で「この9か月間の…」みたいなことを言ってて、あー、まだ結成から9か月しか経ってない頃なんだよな…って思ったんですよね。

このライブから5か月ほど後、2019年11月から、現在の2020年8月までが、同じ9か月。全然違う9か月。

花道だけ歩いた9か月と、存在を否定され、それでも生き延びることを選択し、懸命に生きてきた9か月。

そしてこれから9か月後、2021年5月には、もう、IZ*ONEは解散している予定です。

 

「EYES ON ME:THE MOVIE」、本当の意味

人は生まれた瞬間から死ぬことが決まっている。その時間に長い短いはあれど、死なない人間はいない。

その、限られた時間の中ですら、突然に人生は断たれることもある。それがいつ来るかなんて、誰にもわからない。

でも、だからこそ、今この瞬間を、生きていくしかなく、それをどう生きるかは、それぞれの意志と選択、だけではなく、様々な状況や出来事にも左右される。

大きく浮かぶこともあれば、深く沈むこともあって、それがいつ来るかは、本当に、本当にわからない。

それを生きるのが人だし、そして、家族は、そこに伴走する存在になるものだと思う。

映画中のコメントで、「WIZ*ONEは新しい家族のよう」と言っていて、ああ、そうだよね。一緒に走っていくしかないんだよね、って思って。

全世界でライブをして、全世界のヒットチャートを賑わせるような、そんな「グローバルガールズグループ」になることは、現実的に言えば、難しいことになってしまった。

でも、新しい家族として、こんなにたくさんの人が伴走している。国を越えて、目の前にいなくても、切ないけれど、でも、伴走している。

もう、その事実、それ自体が、本当に、奇跡的なことだよ、と。そう思ったんです。

ここまで書いて、「EYES ON ME:THE MOVIE」の意味が、やっと、自分なりにわかったというか。

「あなたの目は釘付けよ」みたいな、そういう話じゃなく「ずっと、私を見ていてね」っていうことなんですよね、きっと。

それが、映画という形にまとまったのが、「EYES ON ME:THE MOVIE」ということなんだと思いました、今。

だから、もしよければ、願わくば…もう一本、コンサートムービーでも、ドキュメンタリーでも、彼女たちの姿を、一本の映画にまとめてほしいと思います。

彼女たちが、IZ*ONEとして生きた証として、そして、その伴走者として、ずっと見ていた証として。

そして、出来れば、もっと鮮明な画質で!収益にならないかもしれないけど!よろしくお願いいたします!

損にはならないように、何度も見ますから!とりあえずあと一回は4DXで見ます!!

忍者TOOLS
点取り占いブログパーツ